「アホック知事」意欲満々 後任は闘争民主党から

 ジャカルタ特別州のジョコウィ知事が14日、闘争民主党(PDIP)の大統領候補になると宣言したのを受け、知事が当選した場合、後任に昇格するアホック副知事が意欲満々だ。早くも「アホック知事」のペアとなる副知事候補の名前も取りざたされている。だが歯に衣(きぬ)着せぬ言動で知られ、キリスト教徒で華人のアホック氏が首都を率いることに、保守層の抵抗が再燃する可能性もある。 
 ジョコウィ知事が大統領候補になると宣言した14日、アホック氏は知事の出馬を支持すると激励し、「知事の後任となる準備はできている」と意欲を表明した。政治家である以上「大統領を目指す」と野心を語ることも多い。
 規定によると、ジョコウィ氏が大統領選に出馬した場合、知事を休職しなければならない。副知事が知事を代行し、ジョコウィ氏が当選すれば、副知事がそのまま知事に昇格。副知事の所属政党が代行を選ぶ権利を持つ。

■副知事候補、3人の名前
 しかしアホック氏は、自身の所属政党のグリンドラ党ではなく、ジョコウイ氏のPDIPが副知事を決めるべきだと話し、副知事候補として、PDIPのリク・ディア・ピタロカ氏やテテン・マスドゥキ氏らの名前を挙げている。2人は昨年2月の西ジャワ州知事選でペアを組んで出馬し、僅差で現職に敗れた。リク氏は女優で現職の国会議員。アホック氏が2007年、バンカブリトゥン州知事選に小政党から出馬した際、リク氏が支援した。テテン氏は非政府組織(NGO)の汚職監視団(ICW)を率いてきた活動家。PDIPの大統領候補選考チームのメンバーで、ジョコウィ氏の大統領候補宣言の時もそばにいた。
 また東ジャワ州スラバヤ市のリスマ市長の名前も取りざたされている。副市長をめぐる騒動で進退問題が注目を集めるなか、ジョコウィ知事と並ぶ党の新しい顔として首都に呼び出す考えも、党内の一部にある。

■「話し方に配慮を」
 一方で、副知事自ら州政のかじ取りをする場面も目立ち、しばしば強硬発言するアホック氏に対する懸念も出ている。インドネシア大講師のアグス・パンバギオ氏は「知事になるならば話し方に配慮する必要がある」と忠告する。プロテスタントで華人という少数派のアホック氏が、言動に慎重になることを促す声もある。アグス氏は「今はジョコウィ氏に守られているが、いなくなったら批判が集中する可能性もある。グリンドラ党の議席の少ない州議会の幹部や州政府の官僚を敵に回しかねない」と警告した。(配島克彦)

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