焦点は副大統領候補 ジョコウィ氏出馬で駆け引き PDIP、PKB連合か

 ジョコウィ・ジャカルタ特別州知事が闘争民主党(PDIP)のシンボルである故スカルノ初代大統領の墓参りをした。ジョコウィ氏大統領選出馬は固くなり、PDIPが総選挙に勝利したケースを想定した動きが激しさを増している。
 東ジャワ州ブリタルへの墓参(12日)は明確な「出馬シグナル」だ。ハムディ・インドネシア大学教授は13日「メガワティ氏がジョコウィ氏の運命を握っている。墓地に行ったからには、ジョコウィ氏は断ることはできない」と断言した。13日発表の民間調査機関SSSGの世論調査(2〜3月実施)は、知事の支持率を独走の40.32%とはじき出した。2位のプラボウォ氏は10%強。ハムディ氏は「候補者の人物、特徴をしっかりと見極めないことが、インドネシアの有権者の特徴。投票先は(ジョコウィ氏に)決まっている」と強調した。
 総選挙前に出馬宣言するとみられる知事の人気は、他党を引き寄せる。PDIPは墓参の前から総選挙後に国会第7党の民族覚醒党(PKB)と連合する「可能性」をほのめかしていた。PKB幹部のハニフ氏は11日「われわれは開かれている」と歓迎し、両者は連合の「可能性」を確かめた格好になった。さらに知事は墓参の後、PKBの支持基盤のイスラム社会団体「ナフダトゥール・ウラマー(NU)」のイベントに出席。PKB出身の人気政治家マーフッド憲法裁元長官と同席したことで、イスラム知識人の信頼の厚いマーフッド氏を副大統領候補にするとの憶測まで呼んだ。このペアは大統領選で有権者の5割以上が住む「本島」での集票力を高めそうだ。

■ゴルカル党の思惑
 だが、PKBはカラ前副大統領(ゴルカル党)を副大統領候補に推薦する選択肢も残す。モスク評議会会長で、南スラウェシ州マカッサル出身のカラ氏はイスラムの支持基盤、外島と知事の持たない属性を持ち、ジョコウィ氏が知事選に出馬するお膳立てした。
 カラ氏とのペアの場合、バクリー氏を党大統領候補に据えたゴルカル党がカラ氏に乗り替えるかが注目される。加えて、ゴルカル党のアクバル最高顧問も12日「頼まれれば準備はできている」とジョコウィ氏の副大統領候補に意欲をほのめかした。ゴルカル党はこれで▽バクリー出馬▽ジョコウィ―カラ▽ジョコウィ―アクバルの三つの選択肢を持った。与党入りの意欲が強いゴルカル党が今回も「転ばぬ先の杖」をこしらえようとする意図が透けて見える。
 知事を追うプラボウォ氏陣営では、スハルディ・グリンドラ党党首が12日「知事が出馬宣言してもプラボウォ氏の支持率に影響しない」と強気に反論している。(吉田拓史)

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