「インドネシアは脱却」 フラジャイル・ファイブ ハティブ財相
ハティブ財務相は10日、過去2週間のルピア高傾向を受け、先進国の金融政策変更の影響を受けやすいとされる通貨を持つ5カ国「フラジャイル・ファイブ」から、インドネシアは既に脱却したとの見解を示した。経済紙ビスニス・インドネシアが伝えた。
今月上旬に訪米した同相によると、米投資家たちはインドネシアが2013年から取り組んできた政策について一貫性があると評価。具体的には、▽政策金利の中銀レートを同年6月から現在まで1.75%引き上げ▽財政負担となっている補助金削減のための燃料値上げ▽12年第2四半期の対GDP比財政赤字4.4%が13年第4四半期には1.98%に改善したこと―などを挙げた。
同相はこの上で、英経済誌エコノミストにも記載されたように、「インドネシアはもはやフラジャイル(もろい)の国ではない」と言明した。
バンバン副財務大臣も、欧州投資家たちはインドネシアが既にフラジャイル・ファイブから脱却したと評価していると指摘。この結果、インドネシアへの資本流入が始まっているとした。
政府は、状況は好転しているが経常収支赤字はファンダメンタルの問題と認識しており、13年の対GDP比3.26%を今年は2.5%へ縮小する目標でいる。
◇フラジャイル・ファイブ 米金融大手モルガン・スタンレーが2013年年央のレポートで名付けた、インドネシア、インド、トルコ、ブラジル、南アフリカの5カ国。経常収支赤字、財政赤字などの共通点があり、これらの国の通貨は、米国の量的緩和縮小策などの影響を大きく受けやすいと分析した。