悪徳ガイド摘発強化 簡略処分スピードアップ バリ州、条例改正を検討

 バリ州政府は無登録の旅行ガイドや運輸業営業者「白タク」の摘発を強化しようと、州警備隊による処分手続きの簡素化や、取り締まりにあてる時間を増やすための条例改正を検討している。これまでは手続きに時間がかかり、違反者が処分を受けないまま行方をくらますケースも多かった。
 バリは国内随一のリゾート地として多くの観光客でにぎわう。2013年はングラライ空港から入国した外国人は324万人。しかし、悪徳ガイドや旅客輸送業者の増加が問題になっており、「法外なガイド料を請求された」「白タクの利用を強要された」などの苦情、相談も多い。地元メディアによると、州警備隊は昨年1年間でガイド、旅客輸送関連の規制を含む27本の州条例違反324件を摘発したという。
 ただ摘発まではこぎ着けても、多くの事案で調書作成などの書類の準備だけで4カ月ほどかかるのが一般的で、その間に多くの容疑者が行方をくらましてしまうのが悩みだった。警備隊は違反者を摘発しても身柄拘束ができず、容疑者の出頭を担保するための保証金制度もない。処分が終わるまで住民登録証(KTP)を預かることで容疑者を出頭させようとしているが、KTPは簡単に再発行でき、あまり効果がないのが現状という。
 州が検討している旅行ガイド条例の改正では、捜査書類は簡素なもので済むようようにして、警備隊の負担を減らす。実現した場合、略式起訴の場合、書類作成にかかる時間はほぼ1週間程度に短縮できるとみている。抜き打ち検査も月2回実施する。その代わり、例えば違反者に科す最大禁錮6月を同3月に減刑する。
 摘発の強化には市民や利用者の協力も課題だ。これまで一般からの通報が摘発に結びついた事例は全体の2割にとどまるといい、警備隊のクトゥット・アルナワ氏は「市民にも違反者摘発に大きな役割を果たしてもらいたい」として情報提供を呼び掛けている。

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly