マレーシア航空墜落か 客2人偽名、テロの可能性も 239人搭乗、イ人7人も 南シナ海
クアラルンプールから北京に向かっていたマレーシア航空370便ボーイング777―200型機(乗客乗員239人)が8日午前0時半ごろ、南シナ海上空で消息を絶った。インドネシア人7人も搭乗。乗客の中に偽名搭乗者がおり、マレーシア当局はテロ行為の可能性も視野に、各国捜査機関と捜査を始めた。
マレーシア航空によると乗客は227人で乗員は12人。中国人が153人と最も多く、国籍は15カ国・地域にわたる。日本人の乗客はいなかった。
マレーシアやベトナムのほかインドネシア、中国、フィリピン、米国など各国当局が海上と空から捜索している。共同通信によると、ベトナム空軍機が8日、南シナ海ベトナム南部沖合のトーチュー島から南東140キロの海域で油のようなものが15〜20キロにわたり浮かんでいるのを確認した。9日夜、同じ海域で機体とみられる物体も見つかり確認を急いでいる。
同機は現地時間8日午前0時41分にクアラルンプールを出発、午前6時半ごろ北京空港に到着予定だった。行方不明になったのは離陸後約1時間後で天候は良かった。機長は飛行時間が1万8千時間を超えているベテランだという。
マレーシア民間航空局は同機がクアラルンプールへの引き返しを試みた可能性があると発表。操縦士が異変を察知していた可能性がある。共同通信によると、マレーシア航空は「引き返す場合、操縦士は管制に報告する義務があるが、それがなかったのは不思議だ」と述べた。
マレーシア当局によると、乗客の2人が過去に盗まれたパスポートで搭乗していた疑いがある。海外メディアによると、2人はイタリアとオーストリア国籍。両国当局は搭乗者名簿にあった2人が自宅にいたりタイを旅行中だったりで、実際には搭乗していないことを確認したと発表した。2人ともタイでパスポートを盗まれたことがあったという。米メディアによると、米連邦捜査局(FBI)は捜査員を派遣する。マレーシアの運輸相代理は「テロを含むあらゆる可能性がある」と話した。
英字紙ジャカルタポスト電子版によると、インドネシア海軍はマレーシア海軍の要請を受け、巡視船2隻と哨戒機1機を派遣し捜索している。
またインドネシア空軍もリアウ州ナトゥナ諸島にある基地を拠点に支援の用意があると表明した。
マレーシア航空はインドネシアで40年間路線を運営しており、クアラルンプールとジャカルタ、メダン、北スマトラ、バリの各州とつないでいる。(堀之内健史)