メード餓死させる 死亡時の体重26キロ 馬人夫婦に死刑判決
インドネシア人メード女性を餓死させたとして殺人罪に問われたマレーシア人夫婦に、同国の高裁が死刑判決を言い渡した。十分な食事を与えられず、死亡時の女性の体重は26キロまで減っていた。被告側弁護士が7日、地元メディアに明らかにした。
クアラルンプール近郊プタリン・ジャヤに住む電気工フォン・コンメン(58)とテオ・チンイェン(56)の夫婦が被告の事件。判決によると、夫婦は10年5月から2011年6月まで、メードとして雇っていた東ジャワ州バニュワンギ県出身のイスティ・コマリヤさん=当時(26)=の食事を制限し続けた上、体調が崩れても十分な治療を受けさせなかった。同月6日に大学病院に搬送されたが、間もなく死亡した。
夫婦の家で働き始めた08年11月の時点で、イスティさんの体重は46キロあった。継続的に暴行を受けており、顔や背中などには打撲や引っかき傷の痕があった。判決では被告の行動を「計画的に餓死させた」と指弾した。被告側は週明けにも上訴する方針という。
マレーシアは長らく、最大のインドネシア人労働者受け入れ国だったが、09年に発覚したメード虐待事件を機に、メードなどインフォーマルセクターの労働者派遣を一時停止した。
インドネシア政府は労働者保護の順守を条件に11年に派遣を再開したが、その後も虐待事案が後を絶たない。
他国でも外国人メードに対する虐待は社会問題化している。香港では1月、インドネシア人女性が雇い主から熱湯をかけられるなど大けがを負わされた。女性はその後突然解雇され、香港で働くメードや支援団体による大規模な抗議運動につながった。