海軍弾薬庫が爆発 漏電が原因か 1人死亡、80人以上負傷 プリオク港沖
5日午前10時半ごろ、北ジャカルタ・タンジュンプリオク港沖にある海軍の施設から出火して弾薬庫が爆発、海軍兵士1人が死亡、80人以上が重軽傷を負った。
海軍によると、倉庫内には小銃など小火器用の弾薬を貯蔵していた。貯蔵量については明らかにしていない。記者会見したイスカンダル・シトンプル報道官は故意に引き起こされた爆発との見方を否定。倉庫内での漏電が原因で出火し、弾薬が誘爆した可能性が強いとみている。
死亡したのは艦船の整備部門に所属する兵士。弾薬庫近くには海軍特殊部隊の射撃訓練場や艦船の修理場があり、周辺には当時約150人の兵士らがいて、火災に気づいて消火活動にあたっていた最中に爆発した。重軽傷の多くは木材やガラスの破片で負傷した。重傷者は中央ジャカルタ・ブンドゥンガンヒリルの海軍病院などに搬送された。
弾薬庫の他に、約10棟の建物が爆風で屋根などが壊れた。近くには海上警察の庁舎もあり、窓ガラスや扉などが破損した。現場はタンジュンプリオク港西側にある周囲2キロほどの小島。同港の最も西側にある埠頭からは幅約100メートルの水路を挟んでいる。周辺に民家はない
現場付近は事故直後から憲兵隊が立ち入りを厳しく制限した。目撃者らの話として地元メディアが報じたところによると、現場から3キロは離れた市街地でも爆発音が聞こえ、立ち上る黒煙が見えたという。
軍用施設の事故では1984年、南ジャカルタ・チランダックの海軍・海兵隊弾薬庫が爆発し、15人が死亡(当局発表)した。(道下健弘)