森林8000ヘクタール焼失 首都発便、バタムに一時着陸 リアウ州
スマトラ島リアウ州で野焼きが原因とみられる森林火災が拡大し、煙害が広がっている。これまでに森林など約8千ヘクタールを焼失。1日時点で同州では1234カ所の高温地点(ホットスポット)が確認された。
国家災害対策庁(BNPB)は1日、森林火災が広がり、6千ヘクタールが焼けたと発表した。その後も火災は拡大し、同州の担当者によると、焼失面積は8千ヘクタールに達する見込みだ。
気象地理物理庁(BMKG)は1日午前、同州内だけで1234カ所のホットスポットを確認した。同州災害対策局(BPBD)は28日に同州内で70カ所(スマトラ島全島では138カ所)を確認していたが、1日で火災が拡大したとみられる。この数は煙がシンガポールやマレーシアに到達して国際問題化した昨年6月23日の1526カ所に迫る勢いだ。
同地域では森林火災が続いており、2月に確認されたホットスポットはスマトラ島で累計2208カ所(うち同州内で1272カ所)に上った。
火災で生じた煙で空の便にも影響が出た。アンタラ通信によると、同州プカンバルのスルタン・シャリフ・カシム空港では1日、24便が最大で9時間遅れた。2日夕、ジャカルタ発プカンバル行きのガルーダ航空とライオンエアの2便がバタム島ハン・ナディム空港に一時着陸。同日午後に降った雨の影響で、州都プカンバルで800メートルまで悪化した視界が1200メートルに回復し、同日夜にプカンバルに到着した。ガルーダ航空とライオンエアは取材に対し、3日の運航には影響が出ていないと答えた。
また同州では市民2万8千人が喉などの不調を訴えており、煙による健康被害が広がっている。
BMKGはこれまで北から南へ吹いていた季節風の風向きが変わり、南風が吹き始める時期に向かっているとみており、近くシンガポールやマレーシアに煙が到達するようになると予測している。