高卒者、原則下りず 外国人就労ビザ ジェトロ・SMEJセミナー
日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所は27日、中小企業連合会(SMEJ)との共催でセミナーを開き、カルティニ・ムルヤディ法律事務所の柳田茂紀マーケティング・アドバイザーが最近の法務トピックについて説明した。外国人就労ビザでは、昨年末に施行された労働移住相令で最終学歴が高校卒業の場合、原則的にビザが下りないという規定が明確になり、製造業にとって、「今年最大の問題になる可能性がある」と指摘した。
外国人労働者の条件はこれまで、「学歴(高専を含む大学)および/あるいは5年以上の職歴」として、どちらかを満たしていれば問題なかったが、12月30日に施行された大臣令2013年第12号では、「および」のみに文言が変更。従来は担当官ごとに判断が異なっていたが、今回の改正でさらに厳格に運用される可能性が高まった。
また、昨年10月のエネルギー鉱物資源相令で、石油ガス業界での外国人雇用年齢制限が設けられ、30〜55歳となったことなどについて説明した。
健康保険の項目では、今年1月に運用が開始された新社会保険制度について解説した。これまで給付内容がジャムソステックを上回るものであれば、一般の健康保険のみで十分だったが、社会保障機関(BPJS)への移行により、BPJS健康保険加入が義務となった。6カ月以上就労する外国人も加入義務が課されたとして、注意が必要だと呼び掛けた。
また、今月国会で可決された、インドネシア初となる通商法では、国産品使用の推進に関する条項が多く盛り込まれており、柳田氏は「かなり保護主義的な内容。これから、輸入販売会社がインドネシアに進出するのは難しくなる」との見解を示した。
そのほかにも、投資申請手続きについて、昨年9月施行の投資調整庁(BKPM)長官令(2013年第13号)で、外資系コンサルタントによる代理申請が不可になり、法律事務所や公証人、内国資本のコンサルに限定されるようになったことや、外国資本の株式譲渡について定めた「外資の15年ルール」の対応などについても説明した。