藍の温もり 新デザインに デザイナー派遣、地方振興
中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)で23日まで開催中のインドネシア・ファッションウィーク(IFW)で、藍などの自然染料を使い、温もりのある衣服が展示されている。観光創造経財省が東ヌサトゥンガラ州西マンガライ県にデザイナーを派遣し、地元の職人と開発した商品だ。
西マンガライ県は同省が2012年に始めた、地域の伝統工芸の振興を通した経済発展事業「セントラ・クレアティフ・ラクヤット(SKR)」の実施5地域のうちの一つ。
バティック(ろうけつ染め)の染色技術の紹介や、各地域に伝わる伝統のモチーフを生かしつつ、ジャカルタから派遣されたデザイナーの協力で洗練されたデザインの商品を作り出す試みだ。
同省の担当者ニニアック・ディニヤンティさんは「東ヌサトゥンガラ州は、自然染料を使った伝統織物ソンケットが有名。ただ西マンガライでは、利便性などを優先し化学染料で染めた糸を問屋から買い、織物を作ることが増えた」と指摘する。
同事業で自然染料を使った染色技術を指導し、伝統的手法を見直す。デザイナーのデザインを強要するのではなく、マンガライの伝統的モチーフを調査し、職人の意見も尊重して新たなデザインを生み出す。
西マンガライはコモド島など観光名所も抱え、大きな市場に成長する可能性がある。織り職人のヘレナさん(43)は「自然の色に引かれ、多くの人々が買ってくれる。出展が私たちの伝統工芸を紹介する良いきっかけになった」と笑った。
同省はSKRに参加する各地域の工芸や、職人の紹介を通じ、伝統工芸を生かした地域経済の振興を呼びかけている。詳細はウェブサイト(indonesiakreatif.net/)で。(宮平麻里子、写真も)