土石流、集落を直撃 噴火の二次災害を警戒 クルッド山山麓

 東ジャワ州のクルッド山(標高約1731メートル)の噴火で、降雨のため土石流が発生し山ろくの河川が氾濫し、流域の集落を直撃している。山頂から半径10キロ内の避難勧告は維持されているが、帰宅する住民が相次いでおり、国家災害対策庁(BNPB)は二次災害に警戒するよう流域住民に呼びかけている。
 噴火後クルッド山周辺では繰り返し雨が降り、18日夜、クディリ県クプンのコント川が氾濫してモスクや家屋数軒を直撃。一帯は1メートルほど土砂で埋もれた。けが人はなかったが、クディリ県とマラン県を結ぶ橋が土砂で切断された。同県では避難所から大多数が帰宅し、火山灰の重みで損壊した屋根の修理などに追われている。
 火山地質災害対策局(PVMBG)によると、火口から出た灰や岩、溶岩などの噴出量は計1億500立方メートル。このうち3千立方メートルが山ろくに堆積したとみられる。土石流がクルッド山南西部を源流とする6本の川に流れ込み、流域の集落を襲う可能性が高まっている
 山ろくの川は東ジャワ最長のブランタス川に合流し、州都スラバヤに流れ込む。1960年代以降、日本の支援で建設されたブランタス川の砂防ダムにも、噴火以降の降雨で大量の土石流が流入しているという。
 ジョコ公共事業相は18日、同川の砂防ダムは1450万立方メートルの土砂をせき止められると指摘。新たなダム建設も近く始まる予定と強調した。
 地質学専門家のウマール・ロサディ氏は地元メディアに対し、19日時点で300〜600メートルの噴煙が上がり、火山性地震も多発しており、降灰や土石流には引き続き警戒が必要としている。
 一方、閉鎖していたジョクジャカルタのアディスチプト空港は19日、再開した。ボロブドゥール寺院も同日、一般公開を再開。ソロのアディスマルモ空港は灰の除去作業が遅れ、再開は20日以降になる見込み。(配島克彦)

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