ジョコウィ知事大なた 8局長ら管理職26人更迭

 ジャカルタ特別州は12日、8局長など幹部26人を更迭し、人事を刷新した。公務員を厳しく処遇するジョコウィ州政が、前知事時代に任命された幹部らに大なたを振るった。
 8局長は運輸、教育、清掃、社会、コミュニケーション通信広報、海洋農業、公園墓地、工業。うち7局長は新設の「知事開発促進チーム」に配置されるが、その職務は明確にされていない。局長経験者をまとめる「追い出し部屋」との見方が濃厚だ。特に運輸、教育、清掃の3局は副局長も更迭した。3局は行政能力が低いと評価されていたところに、不祥事が浮上し、追い打ちをかけた。
 運輸局をめぐっては、州は短期的な渋滞対策としてバス網の整備を目指しているが、ウダル・プリストノ運輸局長はメトロミニ存廃問題やトランスジャカルタの運営改善などを十分実行できなかった。9日には中国企業から輸入するトランスジャカルタ新車両から中古部品が見つかり、運輸局が管理した入札に疑念の目が向けられている。この問題では、州政府側から積極的に情報が出ており、今後も追及が進みそうだ。
 この3局長は州職員出身のファウジ・ボウォ前知事が任命。ファウジ時代は公務員の役得が増えたと言われる。昨年のジャカルタ州知事選直前に公立高校教員に毎月40万ルピアの手当支給を決めたことがあり、一部では「公務員天国」とやゆする者もいたほどだ。町長から抜擢された清掃局副局長らをのぞき、後任者はほとんど局内から昇格した。

■能力重視の人事
 今回の人事刷新で、昨年2月の幹部20人更迭とともに、能力を重視するジョコウィ知事の色が強くなりそうだ。12年10月就任以来、知事はファウジ前知事色の払拭を目指している。昨年中頃から幹部の人事評価も導入し「評価が低い者は更迭もあり得る」とし今回実行に移した。
 知事は各種の施策で、行政パフォーマンスの向上を目指してきた。町長試験ではインターネットによる受付を始めた。これまで町長ポストでは縁故採用が横行し、出願時に能力があっても縁故を持たない者ははじかれたという。昨年からの電子調達、電子予算システム導入により透明化も進んでいる。
 人々の公務員の評判は概して悪い。公用車を私用化、州予算でレバラン(断食明け大祭)のお土産を買う、事業・調達を縁故者に発注、バックマージンを受け取る、行政手続きに絡んで「手数料」を要求するなどの実態が明らかにされてきた。いつも遅刻し午後3〜4時ごろ、職員専用シャトルバスで帰宅する者もいると言われる。縁故採用もはびこっている。(吉田拓史)

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