ファッションサイト開設　連日割引で消費者刺激　テソンさんが会社設立　日本の大手通販で経験

　元楽天インドネシアの金泰成（キム・テソン）さん（２９）が昨年１０月、インドネシアで女性ファッションの会員制販売サイト「ＶＩＰプラザ」を立ち上げた。人気ブランドの商品を格安で販売、連日商品を入れ替えることで消費者の購買意欲を刺激する戦略だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　サイトでは、毎日２〜３ブランドの女性服などのセールを展開する。７日間の期間限定で最大８０％割引で販売。サイト利用者の関心を引きつけ、購入につなげる狙いだ。
　広告宣伝にも注力する。同サイトの商品についてブログの執筆者に感想を書いてもらい、口コミでサイトの知名度向上を図った。フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアと連動させ、サイトへのアクセスを促す。
　利用者層はジャカルタ首都圏で５０％、地方都市で５０％を想定。今年で５０万人の利用者数を見込み、ブランド数を３００までに増やしたいと意気込む。テソンさんは「インドネシア人はディスカウントを重要視する。魅力的な割引商品があるサイトの利用者は増え、人気は高まる」と自信を見せる。
　インドネシアのインターネット利用者数は約７１００万人。そのうち７６％相当が電子商取引（ＥＣ）を活用しており、今後もネット市場の急拡大が見込まれる。１５年には市場規模が１兆円を超えるとの試算もある。
　同社が入居するビルには撮影スタジオを完備。商品が到着すると、専属スタイリストが服を選び、専属モデルに着用させ撮影が始まる。写真はネット上にアップされ、利用者に服の組み合わせの参考にしてもらう。
　今後は女性向けだけでなく、男性向けブランドや化粧品も取り扱う。テソンさんは「経済成長と相まってファッションへの関心が高まる。市場の拡大とともにさまざまな商品を手掛けていきたい」と強調した。
　現在のスタッフ数は２５人。優秀な人材を集めるために時間を掛けた。「直接会い、議論を重ねた。その結果、最高のチームができた」
　サイトは（ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．
ｖｉｐｐｌａｚａ．ｃｏｍ／）。同社にはサイバーエージェント・ベンチャーズが出資している。（小塩航大）