鴻海が工場建設へ ジャカルタ州と合意 郭会長「5年内に10億ドル」
台湾に本拠地を置く世界最大の電子機器受託製造サービス(EMS)企業「鴻海(ホンハイ)精密工業」(通称・フォックスコン)は7日、ジャカルタ特別州での工場建設に向け、同州との間で合意の趣意書(LOI)に調印した。来イした郭台銘(テリー・ゴウ)会長は「今後3〜5年で10億ドル(約千億円)以上投資する」としている。地元紙などが報じた。
ジャカルタ州が200ヘクタールの土地を確保し、第一段階として、20ヘクタールを準備する。許認可の取得などでも協力するという。予定地はジャカルタ北部のヌサンタラ保税地区(KBN)となる見込み。鴻海は4月までに詳細な計画を詰め、年内の着工を目指す。
鴻海は昨年12月、ブラックベリーの端末生産や開発で同社と合意。インドネシアでの生産を予定しているといい、携帯電話の輸入抑制にも効果が出ることが見込まれる。
調印式に出席したジョコウィ知事は「アルミを原料として輸出するより、ここで製品にした方が良い」と述べ、工場誘致により産業の付加価値が高まることに期待を示した。
北ジャカルタのヘル・ブディ・ハルトノ区長によると、工場の稼働で2千〜3千人の雇用が創出される計画という。
ジャカルタへの投資を決意した理由の一つとして、郭会長は「ジョコウィ知事は先に、私がジャカルタに投資するかを確認するために調査団を台湾に派遣した。口先だけではなくそれだけ真剣だということだ」と話した。
一方、ヒダヤット工業相は「まだ拘束力がある契約にはなっておらず、合意内容を早急に実現する必要がある」と注文を付けた。