1カ所で渋滞77%減少 マンパン交差点改良 トヨタ「今後も協力」

 トヨタなどが実施した南ジャカルタ・マンパン交差点の改良工事後、工事した4カ所のうち1カ所では最長時の渋滞の長さが約77%減少、若干の改良を加えるだけで大きな効果が出ることが分かった。残り3カ所でも渋滞は若干減った。似たような渋滞地点も多い首都圏で、今後の取り組みへの期待が高まりそうだ。
 大幅に渋滞が減ったのはUターン地点の位置を手前に変える工事。カプテン・テンデアン通りからブロックM方面へ向かう車がUターンする場所で、交差点内まではみ出していたUターン地点を手前に移動させた上、直進ができないよう安全地帯を設けた。その結果、クニンガンからパサール・ミング方面へ向かう車の列とぶつかることがなくなり、渋滞が最長で65メートルから15メートルへと4分の1以下に、平均通過時間が18秒から8秒と半分以下に減った。昨年12月の計画完了後に調査した結果、4カ所の渋滞の長さ(最長時)が21・10%(19メートル)、交差点の平均通過時間が17・96%(23秒)減少した。
 一方、それ以外の3カ所では車列の減少分は0・79〜3・84%(5〜14メートル)、通過時間の減少分は4・84〜6・43%(6〜48秒)にとどまった。
 調査は、改良前と改良後にそれぞれ10日間実施。交通量が多い平日の午前7〜同9時、午後12時〜同4時、同5時〜同7時に渋滞の長さや通過時間を測定した。
 トヨタの現地製造法人トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)の野波雅裕社長は「大使館、州政府と連携し、これからも機会があれば、積極的に協力していきたい」と話した。
 計画は日本政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力の769万円をトヨタ・アストラ財団が受けて実施した。官民連携の枠組みで、総予算約1500万円の残りをインドネシアのトヨタ・グループや部品供給企業など23社が拠出。場所の選定などでジャカルタ特別州政府も協力した。Uターン地点を移動し、安全地帯を削ったり足したりしたほか、交通標識、信号機を移設するなどし、2カ月かけて完成した。(上野太郎、写真も)

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