県人会の発足相次ぐ 新たに新潟、栃木、茨城、島根
インドネシアの在留邦人数の増加と相まって県人会の発足が相次いでいる。先月には島根県人会が発足した。じゃかるた新聞の調べによると昨年から新たに四つの県人会が誕生し、1月時点で計34になった。全都道府県の会がそろう日も近いかもしれない。
島根県人会の初懇親会には出身者やゆかりのある男女18人が参加した。出席者で話し合って会の名称を「スサノオ会」に決定した。同会の齋藤健一さんは「憩いの場にしたい。積極的に参加を募っていく」と力を込める。今後は定期的な懇親会とゴルフコンペを実施していく予定だ。
昨年5月には新潟県人会、11月には栃木県人会、茨城県人会が発足した。栃木県人会の菱沼智聡さんは「県人会の立ち上げで共通の知り合いを作ることができた。今後も継続的に活動し、アットホームな会にしていきたい」と話した。
各県人会でも会員数が増加傾向にある。三重県人会では昨年比10人増の90人に伸びた。製造業関連の会員が多いという。同会の森永泰生さんは「ローカルな話題で話が弾み、会員同士の交流も活発だ。毎回の懇親会やゴルコンペでは常に新規参加者がいてうれしい」と語る。
会員数が100人を超える大所帯もある。その一つ大阪の会はこの4年で会員が大幅に増加した。同会の加茂喜啓さんは「この会の持ち味は『盛り上がり』で、これからも大切にしていきたい。今年も会員数は増えるだろう」。
東京都の都民会も発足2年で100人が所属するまで拡大した。神奈川県人会は200人を超えているという。福岡県人会(飛梅会)は180人を超え、特に12年以降に約100人が加わり、規模が急拡大している。同会の木村香苗さんは「会員は福岡県生まれが大半で絆が強い。会の行事には毎回、多くの会員が参加する」と語った。
歴史のある会として有名なのが北海道の道産子会で、1980年に発足し、今年で結成34周年を迎える。ジャカルタ沖縄会は93年、鹿児島県人会も88年に発足している。
じゃかるた新聞が昨年5月15日付けの新生活特集紙面で掲載した県人会数は30だった。それを基に、その後、懇親会やゴルフコンペを開くなど活動を始めた会を数えた。
■邦人数の増加が後押し
外務省が発表した在留邦人統計(2012年10月1日時点)によると、インドネシアの在留邦人数は過去最高の1万4720人。11年比2251人増と大幅な伸びだった。ジャカルタの長期滞在者数は前年比24%増の8659人。ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の会員企業数は1月時点で、前年7月比で15社増え548社となった。進出企業が増加しており、邦人数を押し上げている。(小塩航大)