タレント60人の人気頼み 若手の俳優や歌手擁立 総選挙小政党が準備

 4月の総選挙に向け、政党がタレントを候補者に立て選挙活動の準備を進めている。特に小政党が人気を利用し得票数を増やそうとする傾向が顕著だが、有権者は政治経験を重視するとの調査結果もある。
 「ハッタ・ラジャサは大統領になるため全力で戦います」。中央ジャカルタのイストラ・スナヤンで12日に開かれた国民信託党(PAN)党大会。5千人を超える党員の前で、デシー・ラトナサリ氏が党首のハッタ経済担当調整相の声明を読み上げた。女優として知られるデシー氏は党カラーである青と白の服で身を包む。西ジャワ州の選挙区から出馬予定の国会議員候補で、ハッタ党首もデシー氏の人気に党勢浮揚への望みを託す。
 総選挙ではほぼ全ての参加政党がタレント候補者を立て、その数は60人を超えるとみられる。ただ、ゴルカル党や闘争民主党(PDIP)、民主党の大政党が現職議員やテレビ司会者など知的なイメージの芸能人を多く擁立するのに対し、小政党は有権者数が多い若者層に親しみのある新進歌手・俳優を起用する。
 グリンドラ党は、若い女性に大人気で、映画やテレビドラマで引っ張りだこのイルワンシャ氏ら8人を擁立。民族覚醒党(PKB)は国民的ダンドゥット歌手ロマ・イラマ氏の息子リド・ロマ氏ら13人を立てる。いずれも20代で政治活動の経験はないが、「若者の声を国政に」と呼びかける。
 しかし、知名度だけでは得票に結びつかないとの観測もある。民間調査会社のポル・トラック・インスティテュートによると、全国33州で昨年12月に有権者1200人を対象に実施した調査で、「芸能人候補者に投票する」とした回答者は16・8%にとどまり、「議員経験者を選ぶ」とした50・9%を大きく下回った。
 ゴルカル党の長老、ハビビ元大統領は25日、総選挙では知名度でなく実績と能力をもとに候補者を選ぶよう市民へ呼びかけ「最も大切なのは問題解決能力だ」と指摘した。
 政党は芸能人を総選挙の候補者に立てる際、能力を軽視しがちとの懸念の声も出ている。プラモノ・アヌン国会副議長は「前回の2009年総選挙で国会議員に選ばれた芸能人は18人いるが、議員の任務を果たせるのはごく一部にすぎない」と話した。(宮平麻里子)

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