ルピア・株安が波及 ペソ急落、中国減速懸念で 米はきょう金融政策発表

 アルゼンチン・ペソの急落や中国経済減速への懸念が世界経済に波及し、週明けの27、28の両日、インドネシアからも資金が流出した。28、29の両日には米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、内容次第では新興国に大きな影響が及ぶ。
 中銀が発表する銀行間取引参照レートは対ドルで28日、7営業日連続で下落し、1万2267ルピアになった。インドネシア証券取引所の総合株価指数は27日に急落したが28日は反発、0.5%増の4343.8で取引を終えた。27日の下げ幅は2.6%で東南アジア最大だった。
 先週に中国の製造業の景況感が半年ぶりの低水準になったことや、ペソが対ドルで約15%下落したことなどで、新興国経済への懸念が広がった。年初以降、ルピア、株ともに堅調に推移してきたが、これらをきっかけにインドネシアの経常赤字などへの懸念が改めて示された形だ。
 他にも懸念はある。足下では悪天候による食品をはじめとした価格上昇がインフレ率を押し上げる見込み。長引く政情不安でタイの経済が停滞することも不安要素だ。
 FOMCでは米連邦準備制度理事会(FRB)が債券買い入れ(量的緩和)の規模を昨年12月に続いて、100億ドル減らし、650億ドル(約6.6兆円)にするとの見方が強い。市場はある程度織り込んでいるが、市場の観測と異なる決定となれば、さらなる資金流出に見舞われる可能性もある。(堀之内健史)

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