【火焔樹】適材適所とは
インドネシアの人口は日本の約2倍あることから、優秀な人は日本より多い分、落ちこぼれもはるかに多くいる。
日本がどうして発展したか。外国人と比べて日本人が特に優秀だったからではなく、落ちこぼれた人たちが従順に優秀な人の言うことをよく聞くからだ。「やれ」と言われれば、責任もってやる。インドネシアの人はやらない。これが大きな違い。
この従順さはどこからくるのだろうか。人の言うことを聞かなければ社会から弾き出されることを心得ているからだ。インドネシアの人は、人の言うことを聞かない落ちこぼれがたくさんいるから、いつまで経っても無茶苦茶な社会が変わらない。
どうして人の言うことを聞かないのか。従順であるメリットが感じられないからだ。かつての日本のように、貧しくとも、一緒に頑張れば良いこともあるさという気持ちになれない。格差があり過ぎてしらけてしまうのだ。
ここが日本の高度成長期と一番違う。つまり、これからの日本人も従順ではなくなる。格差拡大、人口減、優秀な人も減り、日本は衰退していく。
衰退を防ぐ一つの方策として、優秀な外国人を日本に連れていき、組織を任せてみればいい。人の意識を根底から変えるには、異質なものに直面し、試行錯誤を重ねることが一番の近道だ。それが自分たちのためになると分かれば、従順さゆえ、必ずついていく。
そして、人の話をよく聞く従順な日本人をインドネシアに連れてきて、優秀なインドネシア人のサポートをさせればいい。従順さゆえ、組織の模範となる。
適材適所とは「人の能力・特性などを正しく評価して、ふさわしい地位・ 仕事につける」とある。日本人の下にインドネシア人という固定観念、そろそろ変わってきてもおかしくない。 (会社役員・芦田洸)