値上げ幅1万2000ルピアに 価格改定で混乱 12キロ入りLPG
ダフラン国営企業相は6日、国営石油・ガスのプルタミナが販売するプロパンガス(LPG)12キログラム入りガスボンベの卸売価格の値上げ幅を17%増となる1万2千ルピアに改定すると発表した。市場価格は8万9千ルピア〜12万100ルピアになる見込み。プルタミナは7万200ルピアだった12キロ入りボンベの卸売価格を1日から11万7708ルピアに68%引き上げていた。新価格は7日から適用される。
プルタミナは1日、2009年以来となるLPG卸売価格の値上げを実施。地元メディアによると12キロ入りボンベの市場価格は首都圏で6万〜7万ルピア値上がりしていた。12キロ入りボンベは政府補助金の対象外で、卸売価格の値上げが市場価格に直接影響した。
LPG購入は政府補助金で安価に抑えられている3キロ入りボンベに流れ、3キロ入りの市場価格が1万3千〜1万5千ルピア値上がった。ボンベ不足が懸念され、3キロ用ボンベ470万個を新たに供給する計画も浮上した。
ユドヨノ大統領は5日、プルタミナのカレン・アグスティアワン社長や関係大臣を集めて話し合い、プルタミナに対して24時間以内に値上げ幅を再考するよう求めていた。
値上げの決定を巡っては、計画を報告したとするプルタミナと報告を受けていないとする大統領やジェロ・ワチック・エネルギー鉱物資源相らの間で意見が対立。ダフラン国営企業相が5日になって、自身が値上げを承認したが大統領に報告し損なったと話し、責任を認めた。
今回の混乱については、大統領の指導力を疑問視する声や、一度値上げしたLPGを値下げさせることで支持率上昇を狙った政治的パフォーマンスだとする批判が野党議員などから上がっている。ユドヨノ大統領は09年の総選挙前にもLPG値上げを中止したことがある。
プルタミナはルピア安が進み、輸入価格が上昇する中、LPG価格を抑えて供給していたため、最近6年で22兆ルピアの損失があったとしている。会計検査院(BPK)も損失に懸念を示し、経営状況の改善を求めていた。