第1金曜は公共交通で 首都で職員の車通勤を禁止 ジョコウィ知事は自転車利用
渋滞緩和に取り組むジャカルタ特別州は、州職員に対して車での通勤を禁止し、公共交通機関を利用するよう求めることを決め、3日から実施した。当面は毎月第1金曜日に限定される。職員が模範を示すことで、市民に公共交通機関の利用を促すのが目的だ。
ジョコウィ知事はこの日、中央ジャカルタ・スロパティの自宅から約2キロの距離を自転車に乗って登庁。「大切なのはまず始めることだ。今は月に一度だが、今後は週に一度、毎日にしてもいい」と意気込みを見せた。
一方、アホック副知事は公用車を利用。自身が公務員でないため政策の対象外と説明した上で、「バスで通勤すれば2時間以上かかるが、2時間あれば私は三つの案件を処理できる」と話した。
政策は、州知事令2013年第150号に基づくもので、救急医療に携わる職員などを除き、全職員に公共交通機関の使用を求める。ジョコウィ知事は、試験運用を3回ほど実施した後で、違反者に対する罰則を設定する方針だ。
州職員のイラワンさん(26)はオートバイで通勤しているが、この日は電車とバスを乗り継いだ。自動車で登庁した同僚もいたが、渋滞解消に寄与するという理由で自身は政策に賛成だ。
この日はタクシーを利用したという州職員のリスカさん(36)も政策を支持する。普段は夫の運転する車に乗っており、不便になることはないという。
州庁舎前の駐車場で働くスハルトさん(62)は「普段は州職員の自動車が数百台あるが、今日は1台もない」と話した。
地元メディアによると、クリスディアント東ジャカルタ区長はタクシーで登庁。西ジャカルタ区では、区庁舎敷地内の駐車場の使用が禁止されたため、付近のマクドナルドに駐車する職員もいた。
地元メディアのテンポ(電子版)によると、州職員約7万1000人のうち、約2万8000人が公用車、約1万7000人がオートバイで登庁していると伝えた。
これまでに西ジャワ州バンドン市やデポック市などで、特定の日に自動車通勤を禁止する政策を実施している。(田村隼哉)