今後2年、最悪に 交通量増と鉄道建設重複で 首都の深刻な交通まひ
インドネシア交通協会のダナン・パリクシト会長は23日、増え続ける車両交通量と相次ぎ計画されている鉄道建設事業が重なり、渋滞が連鎖的に発生し首都全体の交通がまひに陥る「グリッドロック現象」が来年発生する見方を示した。ジャカルタの交通渋滞は今後2年間、最悪の状態に達し同現象が起こり続けると懸念している。
ジャカルタ特別州や中央政府は将来の渋滞解消に向けた建設事業を来年、決行する構えだが、市民は渋滞都市脱却に向けた「最悪の痛みを伴う時期」を強いられそうだ。
ダナン会長によると、来年の道路交通量は10%増える見通しで、これに伴い車両は平均速度8〜10キロしか進まない滞留の状態が頻発する。
中央政府は、自動車依存から抜け出すために「鉄道革命」構想を強調。大量高速鉄道(MRT)、モノレール、空港鉄道、高架路線化(予算7千億ルピア)を進める計画で、バンバン・スサントノ運輸副大臣は「将来の交通渋滞解消のために、どの事業も遅延なく開始する」と不退転の姿勢を示している。
ダナン会長は、鉄道事業による渋滞悪化を最小化するために、路上駐車場の適切な整備や路上で違法営業する露天商の立ち退きを決行すべきだと注文をつけている。
ジャカルタ特別州政府も、現行政策を継続した渋滞解消に努める。州政府は年末までに路線バス656台を調達し、うち専用路線バスのトランスジャカルタ用に310台、中型路線バス用に346台を割り当てる。
トランスジャカルタの路線拡大に伴った措置で、全車両の路線導入は来年1月になる見込み。