ジョコウィ氏かメガ党首か 若手ら古参党員と対立 闘争民主党大統領候補
来年7月の大統領選挙を控え、最大野党・闘争民主党(PDIP)の大統領候補をめぐる議論が過熱している。各種世論調査で、ジョコウィ・ジャカルタ特別州知事が40%近くの支持率を獲得、2位以下を大きく引き離す展開だが、新参の同知事擁立に反対する古参党員らはメガワティ党首を推す。過去の大統領選3連敗の党首は勇退し、実務派・庶民派の知事への支持を呼びかける若手の動向が注目されている。
西ジャワ州ボゴール市内のホテルで18日、ジョコウィ氏支持者が選対連絡所を全国各地に設置すると発表した。21日には、1998年のスハルト政権退陣当時の元活動家ら若手党員が支持団体「プロ・ジョコウィ(プロジョ)」を設立。「メガさんはジョコウィ氏を大統領候補に選び、国家指導者の世代交代を率先することで模範を示してほしい」と呼びかけた。
これに対し、党中央執行委員会はメガワティ党首が大統領候補、ジョコウィ氏は副大統領候補という選択肢もあり得ると説明、党首の再出馬を支持する声は党内で根強いとしている。
世論調査では、ジョコウィ氏は34.7%(国際戦略研究所=CSIS)、47.4%(インディカトル)と独走。2位のプラボウォ氏は10.7%(同)、15.8%(同)と引き離され、メガワティ氏やアブリザル・バクリー氏(ゴルカル党党首)らは下位となっている。
メガワティ氏は90年代以降、民主化のヒロインとして頭角を現したが、99年の議会が選ぶ大統領選挙でアブドゥルラフマン・ワヒド元大統領に敗北。同元大統領の罷免後、晴れて大統領に就任したが、初の直接選挙による2004年の大統領選ではユドヨノ氏に惨敗。プラボウォ氏と組んで臨んだ09年の前回選挙でも敗北した。
メガワティ氏自身が党大会などで党幹部の世代交代を呼びかけてきたが、党のシンボル的存在の同氏に代わる人物はまだいない。長女プアン・マハラニ氏は党の国会会派代表を務め、メディア露出も増えているが、今年40歳になったばかりだ。
インドネシア大学講師のハムディ・ムルック氏は地元メディアに「(来年4月の)総選挙に向け、闘争民主党はジョコウィ氏の人気を利用しようとしている。メガワティ氏が大統領候補として名乗りを上げれば、党の得票数は伸びない」と分析。ジョコウィ氏をめぐる取るに足りないことでもニュースになり、注目を集めるほどの人気がある現状を、党勢拡大に結び付けられるか試されていると指摘した。 (配島克彦)