サイ生息数激減 国内に100頭のみ 保護基金調査
絶滅が危惧される野生のスマトラサイとジャワサイの生息数が減少している。インドネシアサイ保護基金(YABI)はこのほど、生息数が2005年から700頭も減少し、100頭のみとなっている実態を明らかにした。地元メディアが報じた。
YABIによると現在、生息確認地は西スマトラ州、ジャンビ州、ブンクル州、ランプン州などにとどまる。サイは角や皮膚が漢方薬になるため密猟の対象となり、頭数が減少している。さらに、森林破壊も減少に拍車を掛けている。
ウィドド・ラモノ代表は「野生動物の密猟や違法売買は厳しく取り締まるべきだ。絶滅前に早急な手を打つ必要がある」と保護の重要性を訴えた。
ジャワサイは国内では絶滅しており、世界中で35〜45頭しか生息が確認されていない。
スマトラサイは現在、スマトラ島やマレー半島を中心に生息数は300頭以下とみられる。カリマンタン島(ボルネオ島)では10月、1990年代に絶滅したとみられたスマトラサイの姿を撮影し話題となった。
12年6月にはランプン州東ランプン県のワイ・カンバス国立公園でスマトラサイの赤ちゃんが生まれ、生息地内での自然繁殖に初めて成功した。国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種リストに登録されている。
インドネシア政府はスマトラサイの生息数を年間3%増加させる目標を掲げている。また、マレーシア政府とは保護で協力することで合意するなど積極的な姿勢を示している。