バンテン州知事 逮捕 憲法裁判事買収容疑で
バンテン州ルバック県知事選の正否をめぐり、憲法裁判事買収事件に関与したとして、汚職撲滅委員会(KPK)は20日、同州知事のラトゥ・アトゥット・チョシヤ容疑者=ゴルカル党=を汚職撲滅法違反の疑いで逮捕した。不透明な財政運営など、同容疑者の周囲には多くの疑惑があり、今後本人への追及で全容解明を急ぐ。
逮捕容疑はゴルカル系のアミル・ハムザ知事候補、カスミン副知事候補組が落選した正副県知事選(9月開票)のやり直しを憲法裁に命じさせるため、弟で建設会社長のトゥバグス・ハエリ・ワルダナ容疑者=同容疑で10月に逮捕=と共謀し、アキル・モフタル元憲法裁長官=同=に現金1億ルピア(約86万円)を贈った疑い。トゥバグス容疑者は選対チームの幹部。贈賄はアトゥット容疑者が指示したとされ、ラトゥット容疑者とトゥバグス容疑者は9月下旬にシンガポールでアキル容疑者と面会し、取引を持ちかけたとみられている。
KPKは16日にラトゥット容疑者が捜査線上に浮上したと発表した。20日は初めての任意聴取だったが、6時間にわたる聴取で容疑が固まったと判断し、1週間足らずのスピード逮捕となった。KPK庁舎付近には、バンテン州からアトゥット容疑者の支持者らがバス数十台で詰めかけ、無実を訴えた。KPKは支持者が暴徒化する事態に備え、警備要員千人を配置、放水車も準備したが、大きな混乱はなかった。自治法の規定でアトゥット容疑者は知事の職を停止され、闘争民主党系のラノ・カルノ副知事が代行する見通し。裁判で有罪が決まれば、罷免される。