性同一性障害者を支援 ジャカルタ特別州 ショービジネス援助へ 細る生計、雇用創出狙う

 心と体の性が一致しない性同一性障害者(トランスジェンダー)の支援団体「インドネシア・ワリア・コムニカシ・フォーラム(FKWI)」によるショービジネス立ち上げに対し、ジャカルタ特別州が資金援助する予定であることが14日、FKWIや州担当者への取材で分かった。(上松亮介、写真も)
 FKWIは来年にもジャカルタ内に、タイなどで一般的なトランスジェンダーによるダンスショーを公演する娯楽施設の開設を計画。就職の機会に恵まれてこなかったトランスジェンダーのための雇用を創るとともに、性同一性障害への理解につなげる狙いがある。
 トランスジェンダーはその外見から職に恵まれず、多くが性産業に従事。クラブでダンサーとして働く人もいるが限られた一部で、ビジネスとして成り立つほどの技術や機会もなく、細々と生計を立てている。
 FKWIは今年6月、ジョコウィ知事にトランスジェンダーの問題を知ってもらおうと接見を要請。9月に州庁舎で話し合いの機会が設けられ、知事はFKWIからの支援要請に応え、14億ルピアを援助すると約束したという。
 州政府の支援に対し、自身もトランスジェンダーのマミ・ユリFKWI代表(53)=本名ユリアヌス・レットブラウト=は「社会にトランスジェンダーを認めようとする雰囲気が生まれ始めている」と話した。支援金は娯楽施設建設のほか、ダンサーを目指すトランスジェンダーの練習支援などに充てるという。

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