性犯罪通報サイト開設 国家女性委とジャカルタ州

 国家女性委員会は6日、ジャカルタ特別州政府と共同で、性犯罪をオンライン上で通報できるウェブサイトを立ち上げた。情報不足から泣き寝入りする被害者も多い現状を改善し、支援の拡充を図る。
 ウェブサイト(www.kekerasanseksual.komnasperempuan.or.id)上のフォームやメール、ハッシュタグ(##kekerasanseksual)を付けたツイッター投稿のいずれかで、国家女性委に性犯罪を通報できる。その後、国家女性委員会が事案ごとに、警察などの関係機関に協力を要請する。
 ウェブでは性犯罪発生状況なども説明している。1998〜2013年の間で国家女性委に通報された性犯罪15種類の説明や、地元メディアが報じた性犯罪の事例を掲載。性犯罪の種類や起きた場所、発生日などの項目別に表示できる。
 同委のユニヤンティ・クザイファ委員長は6日、ジャカルタ州庁舎の記者発表で「現在、1日に35人の女性が性犯罪の被害に遭っている。対応する仕組みの拡充が以前から求められていた」と話し、情報提供や性犯罪への迅速な対応に努めると強調した。
 アホック副知事は「これまでは被害者が近隣の保健所(プスケスマス)に自ら通報していたが、通報には勇気がいる。ウェブやメールで、当事者だけでなく周りの人々も通報できるようになり、支援が広がる」と歓迎。自身のウェブサイトにリンクを載せるなどして、広く情報共有を図るとした。
 アホック副知事はさらに、性犯罪への対処のため関連機関が連携する重要性を強調した。来年までに、急病人の搬送要請に使われる州の119番通報システムを性犯罪の通報にも対応させる意向を示した。
 国家女性委によると、12年に国内で女性に対する暴力が21万1822件通報され、うち4336件が性暴力だった。
 ジョクジャカルタでは6日、子どもが性暴力の犠牲になることを防ぐため、住民が政府に厳罰化を求めるデモを実施した。

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