低所得者住宅建設へ 全国で1500万戸が不足 政府・不動産協会連携

 インドネシア政府は官民連携し、慢性的に不足する低所得者向けの安価な住宅供給を強化する。都市部で投機目的の住宅購入が増える一方、全国では1500万戸が不足するなど深刻化。インドネシア不動産協会(REI)は来年の建設計画で、これまで注力してきた中・高所得者向けだけでなく、集合住宅を含めた低所得者住宅の供給を増強する方針を固めた。
 ブディオノ副大統領は25日、ジャカルタで開かれた不動産協会の全国総会に出席。2013年時点で1500万戸が不足しており、供給体制を強化する必要性があると強調。「投機目的の住宅が増えている現状は改善する必要がある」と懸念を示した。
 非政府組織(NGO)インドネシア・プロパティ・ウォッチによると、住宅供給不足は住宅価格の急騰が原因。中銀の調査では今年第3四半期の住宅価格は前年同期比で13.51%上昇しており、特に36平米以下の小規模住宅では18.49%増加した。
 平均的所得層の月収250万〜700万ルピアの家庭では、1億5千万〜2億ルピアの住宅を購入すると、毎月100万〜250万ルピアを支払うことになる。大規模な住宅地造成が進むバンテン州タンゲランなど首都圏郊外では、小規模住宅でも3億ルピア以上が相場になってきており、平均的所得層の手は届かないのが現状だ。
 住宅供給の90%以上は民間業者が賄っているが、不動産協会は政府が低所得・中間層への住宅購入支援の予算1〜2%を配分するよう要求。深刻な住宅不足を打開するため、政府は公的住宅基金法案の策定を検討している。
 同法案では、労働者の賃金から2.5%を差し引き、公共住宅を供給する資金にする。約2%でも十分で、1年で24兆ルピアを積み立てることが可能になるという。不動産協会の主導で、今後20年間で1350万戸の住宅と100棟の集合住宅建設を見込めるとしている。(高橋佳久)

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