選挙人登録に不備 1040万人は 「身元不明者」確定名簿1億8660万人

 来年4月の総選挙の準備を進める総選挙委員会(KPU)が4日発表した選挙人名簿の不備が発覚した。確定した選挙人1億8660万人のうち1040万人の登録に問題があると認め、野党は票操作などの不正につながると警告。選挙の公正さが危ぶまれる可能性があるとして、ユドヨノ大統領は13日、関係者を招集して対策を協議した。
 メガワティ元大統領率いる最大野党・闘争民主党(PDIP)は、総選挙委が発表した選挙人名簿のうち1038万人に問題があると指摘。住民登録証(KTP)に記載されているはずの住民番号(NIK)が空欄で、投票権付与の要件を満たしていないと訴える。
 日刊紙コラン・テンポは13日、南スラウェシ州マカッサルで実在しない名前の選挙人について報じた。登録されていた住所に住むのは別名の住民だったという。闘争民主党は、国内最大の有権者を抱える西ジャワ州で最も多くの身元不明者が見つかっているが、全国各地にも一定数が拡散していると指摘。パプアでは選挙人名簿の18%に問題があるとしている。
 選挙人名簿の基になった内務省のデータも問題視されている。内務省は自治体の住民登録を基に作成した暫定選挙人名簿を総選挙委に提出。さらに総選挙委が全国の各郡ごとに選挙人の身元や重複登録の有無などを確認し、今月4日に最終的に確定した名簿を公表したが、闘争民主党の指摘する数より多い1040万人の身元不明者が含まれていることを認めた。
 どの過程で身元不明者が紛れ込んだのかは分かっていないが、野党は与党関係者が意図的に名簿を改ざんした可能性もあるとの見方を示し、早急に改定するよう要求した。
 ユドヨノ大統領は13日、大統領官邸でガマワン内相や憲法裁長官、司法委員会、国会議長、地方代表議会議長らを招集して対策を協議。総選挙委と内務省が協力して確認作業を進めるよう命じた。ガマワン・ファウジ内相は「1040万人の住民番号を確認する作業に協力する」と話し、番号未発行の原因が確認された場合、新規発行するなどして対処するとの方針を示した。
 総選挙委はこれまで暫定選挙人名簿をウェブサイトで公開。居住地の自治体ごとに振り分け、選挙人に登録の確認を呼びかけてきた。また国会と地方代表議会の候補者名簿も公開し、国会議員候補は全国77の選挙区、政党ごとに顔写真や出身地を掲載している。(配島克彦)

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