国家警察が男8人逮捕 過激派、組織的犯行か 7〜8月の警察官銃撃

 国家警察は31日までに各地で、7月からバンテン州南タンゲラン市で相次いだ警察官銃撃に関わったとして、男8人を逮捕した。同市を拠点に活動していたイスラム過激派の組織的犯行を強調、実行犯とされる男2人を追っている。         
 警察官を狙った銃撃は7〜8月、南タンゲラン市で3回発生。オートバイで出勤、帰宅途中に3人が死亡、1人が負傷した。背後から後頭部を狙い「確実に標的を殺す」手口に警察内部で緊張が走った。警察は当初から、対テロ特殊部隊(デンスス88)を投入、捜査を進めていた。
 8人は犯行用の銃を組み立てたり、活動資金を集めたりしたとされ、タンゲランなど6カ所で捕まった。南スラウェシ州ボネ県で捕まった1人は2005年、マルク州アンボン市での機動隊員射殺に関わったという。
 8月、3度目の銃撃現場に乗り捨てられたオートバイの持ち主が分かった。その兄ヌルル・ハック容疑者(28歳、逃走中)は南タンゲラン市を拠点に活動していたアブ・ロバン容疑者(5日、中部ジャワ州で死亡)の過激派グループに所属していたとされる。
 国家警察のロニー・フランキー・ソンピ報道局長によると、ヌルル容疑者は南スラウェシ州ポソ県での警察官殺害など数件に関与。国家警察は同容疑者が警察官銃撃の実行犯として、行方を追っている。
 警察出身のバンバン・ウィドド・ウマル・インドネシア大学教授は1日、取材に対し、警察がたびたび現場で過激派を射殺している点に着目。「疑いがはっきりしない時点での射殺など過激派への過剰な態度は、さらなる怒りを警察に向けるだけだ」と話し、法廷で裁く重要性を指摘した。
 9月、南ジャカルタ・クニンガンで警察官が射殺された事件については過激派関与の可能性が低く、警察は別事件との見方を強めている。死亡した警察官は非番中で、輸送トラックの警備を代行していた。(上松亮介)

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