工業団地で大規模デモ 過激な行為は控えめ 最賃引き上げなど求め

 インドネシア労働組合総連合(KSPI)を中心とする複数の労働組合連合は31日、2014年の最低賃金の引き上げなどを求めて全国20州、150県・市でデモを起こした。高速道路を閉鎖するなど過激な行為が目立った昨年に比べ、今年は比較的穏やかだった。ただ、日系企業が多く入居する工業団地ではデモ隊が工場内の従業員に参加を呼びかける「スウィーピング」で休業に追い込まれたケースもあり、経済活動に打撃を与えた格好だ。 
 首都圏(ジャボデタベック)の工業団地では、朝8時ごろからデモ隊が集合。オートバイに乗って工業団地内を駆け回ったり、街宣車から演説したりした。
 各団地の運営会社などによると、西ジャワ州のカラワン工業団地(KIIC)で一部企業の門をデモ隊が揺らして、傾いた以外、目立った物損被害はなかったという。
 昨年に比べ、主要労組の間で要求水準に開きがみられ、労組側が一枚岩でなかった。昨年の高速道路封鎖などを受け警察が違法行為に厳格対処する方針を強く示していた。
 ただ、デモ隊が団地内の道路や高速道路入口を占拠。物流が麻痺し、休業に追い込まれる企業が相次いだ。

■労組と産廃業者衝突
 東ジャカルタ工業団地(EJIP)では入口付近で、デモ隊と自警団のプムダ・パンチャシラ(PP)が衝突し、組合員10人がけがを負い病院に搬送された。警察によると、PP側が刃物で切り付けたのが発端。地元報道によると、工場の操業停止で地元産業廃棄物処理業者の利益が損なわれるとして労組と対立関係にあるという。日系入居企業の経営者は「数で勝る労組に対し、自警団側も人数を増やして対抗すると予想され、1日はさらに警戒が必要になる」と危惧している。(赤井俊文)

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