天井からコードだらり 一部路線のバス老朽化深刻 トランスジャカルタ

 トランスジャカルタの一部路線で、バスの老朽化が深刻となっている。本来はすでに「廃車にすべき」(当局者)車両が運行を続けている。実際の運行台数も必要数より大幅に不足し、「老骨に鞭を打って走らせている状態」が続いている。
 2006年運行開始の第2路線(東ジャカルタ・プロガドゥン〜中央ジャカルタ・ハルモニ)と第3路線(西ジャカルタ・カリデレス〜中央ジャカルタ・パサールバル)は他路線に比べ古いバスが多い。新型の連結バスが主要な他路線に配備されている一方、旧型が第2、3路線に配車されているためだ。
 28日、ハルモニからプロガドゥンへ、青色2車両、灰色1車両に乗車した。どれも内装全体が黒ずんでおり、金属部分はさびが目立つ。窓枠が折れていたり、天井から電気コードが垂れ下がっている車両もある。
 外観は、車体の塗装が所々剥げ落ちている。側面の鉄板が取れかかり、走るたびにぶらぶら揺れる車両もある。
 買い物で乗車していた北ジャカルタに住むスプリアティ・イドリスさんは「この路線は特に汚いバスが多い。トランスジャカルタは清潔なことが利点なのに。これならコパジャ(一般バスの一つ)に流れる人も多いね」と語った。
 州トランスジャカルタ管理局のパルガウラン・ブタルブタル局長は日刊紙ワルタ・コタに対し、老朽化のため廃車にすべき車両が運行している実態を明かした。運行年数は本来5年が限度。「だが期限が12年までのはずの車両が走っている。しかし新車両が確保できず、延長運行せざるを得ないのが現状だ」と吐露した。第2、3路線で走る旧型バスの後続新車の調達予定はまだ2年も先だ。
 同局長によると、州が現在保有しているのは579台(故障車含む)。理想の運行台数は522台だが、実際に走行可能なのは444台のみ。特に旧型バスが集中している第2、第3路線はしわよせを受けており、無理な運行で故障が相次ぎ、運行可能なバス台数はさらに減り、乗客の待ち時間が長くなる悪循環に陥っている。(堀之内健史、写真も)

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