ジャカルタで初、マラソン1万人 参加人数で「東南アジア最大」 アフリカ勢が優勝独占
首都ジャカルタで初めてとなる本格的な市民マラソン「ジャカルタマラソン2013」(ジャカルタ特別州主催、国営マンディリ銀行後援)が27日、開かれた。1万39人が参加し、主催者によると参加人数では東南アジア最大規模。フルマラソン、ハーフマラソンともにアフリカの招待選手らが優勝を独占した一方、インドネシア人のジョギング愛好家や日本人約200人も灼熱の下で汗を流し、国際色豊かで和やかな市民大会となった。
参加者内訳は▽フルマラソン1千946人▽ハーフマラソン1千788人▽10キロ3千5人▽5キロ2千961人▽子どもマラソン339人。外国人は54カ国・地域の出身者が参加した。
まだ薄暗い午前5時、中央ジャカルタの独立記念塔(モナス)広場で、合図とともにランナーが一斉にスタート。アフリカ選手らがハイペースで抜け出し、フルマラソン男子と女子、男子ハーフマラソンではアフリカのケニア勢が優勝を独占した。ハーフマラソン女子ではエチオピア選手が優勝。インドネシア人では、男子ハーフマラソンでサムガル・カムラシ選手が5位に入賞した。
フルマラソン男子で優勝したケニアのウィリアム・チェボール選手(2時間14分30秒)は、「非常に気温が高くタフな走りが要求された」と振り返り、「走りながらジャカルタの街並みを楽しめた」と笑顔で質問に応えた。
参加した日本人ランナーらにとっても、ジャカルタの街並みを新発見する機会となった。
ジャカルタ在住の坂東ちのりさんは「普段は渋滞しているタムリン通り。こうして自分の足で走れるとは思ってなかった」。仲間5人とゴール地点で合流し、完走の喜びを分かち合った。野川章代さんは記念メダルを握りながら、「ジャカルタはもっとほこりっぽいイメージがあったが、さわやかな風が吹いていて気持ちよかった」「ただ、ごみの臭いが時々した」と汗を拭った。
次の大会開催に向けた課題も残った。「ホテル・インドネシア(HI)前ロータリーで子どもが寝そべっていた」「急に自転車が飛び出してきて引かれそうになった」という苦言がランナーから聞かれた。
大会運営ワンダフル・インドネシア社のニア・二スチャニャ国際観光促進部ディレクターは、次回開催に向け自転車が1台もコースに入らないよう警備体制を見直すとしている。観光促進だけでなく、ランナーへの安全配慮も求められている。(山本康行、写真も)