日イ初の合作ドラマ 年末年始、両国で放映へ 残留日本人の足跡たどる   PPIJ

 日イ国交樹立55周年を記念し、インドネシア日本友好協会(PPIJ)は24日、日イ初の合作テレビドラマ「愛してる」を制作、年末年始にかけ両国で放映すると発表した。インドネシアのDNAプロダクションと日本のフジテレビが企画から撮影まで手掛ける。両国の人気俳優が出演し、1945年の終戦後、インドネシアに残留した祖父の足跡をたどりながら新世代同士が交流を深める友好ドラマになりそうだ。
 ドラマは歴史を振り返りながらも新しい時代に向け、日イの友好関係をさらに強化しようと企画した。主人公は太平洋戦争当時、従軍記者として活動した後、インドネシアで行方不明となった祖父の足跡をたどるため、インドネシアへ取材にやって来たテレビ局記者の日本人。テレビ局の研修生で、日本語を学んでいるインドネシア人女子学生との交流を中心に据えた。
 ジャカルタでの取材を通じ、祖父は終戦後、連合国に追われていた当時、自身を守って亡くなったインドネシア人男性の家族を世話していたことが判明。地元ではその男性はスウィルヨとして知られ、インドネシアで生涯を終えた。ジャカルタで開かれた55周年記念行事を取材する様子なども挿入し、両国の歩みをたどる。
 民放コンパスTVで12月22日、日本ではフジテレビで来年1月に放映する予定。
 原案はDNAプロダクションのリナ・ノフィタ氏。若者の交流だけでなく、「物づくり」の大切さなどのメッセージも込めた。制作過程では、両国の文化の違いから当初予定していた数場面を削除することもあった。遺骨を掘り起こすシーンなどはインドネシアでは問題ないが、日本側はふさわしくないと判断したという。

■ プンチャックでロケ
 24日、ジャカルタや西ジャワ州ボゴールのプンチャックで1週間かけて行われた撮影が終了したばかり。来月初頭に東京と富士山に場所を移して撮影を続けるという。
 同日、ジャカルタで開かれた記者会見で、PPIJのラフマット・ゴーベル理事長は「日本とインドネシアは特別な関係にある。この関係を磨き上げ、さらに輝くダイヤモンドにしていきたい。このドラマがその輝きの一部になってほしい」とあいさつ。鹿取克章駐インドネシア日本大使は「ドラマ合作は非常にエキサイティング。両国の友好関係強化に貢献してくれると思う」と激励した。
 主演の南圭介さんは、幼少時に父の仕事でパキスタンやシンガポールに滞在したことはあったが、インドネシアを訪れるのは初めて。事前にインドネシア語を学び、両国の歴史を調べた。インドネシアに残留した日本人がいたことなど初めて知ることが多かったという。「海外で仕事をすること自体初めて。撮影のリズムや雰囲気など異なることばかりだったが、すぐに打ち解けた。またインドネシアに来たい」と話した。
 新進女優のプリシア・ナスティオンさんは日本語の台詞もこなした。近年、役作りでバリ語やジャワ語、スマトラ島山間部の部族のリンバ語などを学んだこともあったが「日本語は最も難しい。でも日本人のスタッフに支えられ、長い台詞にも挑戦しました」と語った。(配島克彦、写真も)

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