スカイプ通じ母校祝福 東京の130周年式典に参加 ジャカルタの明大同窓会
ジャカルタの明治大学の同窓会「紫紺の集い ジャカルタ」のメンバー十二人は三日、東京の帝国ホテルで行われた同大の創立百三十周年を祝う全国校友東京大会の式典にインターネットを使ったテレビ電話のスカイプを利用して参加し、遠くジャカルタから母校の記念のお祝いの言葉を贈った。三日は日本では文化の日で祝日だが、ジャカルタは平日で式典の時間帯も午後三時。しかし、同会のメンバーは母校の記念すべき式典に参加しようと仕事の合間を縫って参加し、即席会場となった中央ジャカルタの日系企業のオフィスの一室から、東京の式典参加者二千百人にジャカルタで生活する卒業生の元気な姿を報告した。
「ジャカルタは経済が順調で、多くの卒業生が頑張っています。今日も平日にかかわらず多くの人が駆け付けました」「ジャカルタから百三十周年を心からお祝いをします」
世界で活躍する卒業生として、バティックを着たジャカルタの同会のメンバーの姿が、帝国ホテルの大宴会場の大型スクリーンに映し出されると、満員の宴会場は大きな拍手が沸き起こった。
ジャカルタ会場ではパソコンを使ったスカイプの映像が大型テレビに映し出され、メンバーは東京会場の納谷廣美学長や長堀守弘理事長らとやりとりしながら、一人一人が出身学部と卒業年度を紹介し、ジャカルタでの仕事の様子やお祝いの言葉を伝えていった。
たまたま東京に出張していた同会の渡部雅靖会長は、東京会場から中継に参加。司会を務める同大卒業生の元日本テレビアナウンサーの松永二三男さんとともに両会場をつないで盛りたてた。
同大の卒業生ではないが駐在員の妻として現在ジャカルタに在住する司会の松永さんの娘もジャカルタ会場に駆け付け、スカイプを通じた父娘の交流が実現。粋な演出に両会場は笑いと歓声に包まれた。東京会場で同大出身の校友会名誉会長の村山富市元首相が乾杯の音頭をとると、ジャカルタ会場のメンバーはビンタンビールを掲げて乾杯に参加。両会場の中継は約二十分間続き、一体感に包まれていた。
■海外で頑張る姿伝える
ジャカルタからの中継は、同大の拳法部に所属していたジャカルタの同窓会の樽見俊之さん(一九八一年商学部卒)が、今回の校友大会の実行委員長で、同じく拳法部OBの真野孝志さんからジャカルタからのテレビ電話での参加を打診され、実現した。同大の納谷廣美学長からも参加を直々にお願いされ、快く引き受けた。
海外からの中継参加はジャカルタの同窓会のみで、タイやマレーシア、ニューヨークなどにもある同大同窓会の代表として参加する格好となった。
樽見さんは事前に司会の松永さんと打ち合わせをするなど、入念に準備を進めた。その甲斐あって、中継は混乱なく終えることができ、ジャカルタ会場の参加者からは、想像以上に中継が上手くいき、一体感を得ることができたとの感想が聞かれるなど大満足な様子だった。
明治大学は今後日本だけではなく世界に目を向けていく大学となることを目指しているという。樽見さんは「海外で頑張っている卒業生の象徴として、多くの人に元気な姿を見せられて良かった」と語った。