教会工事に強硬派抗議 地元首長「修繕許可は不要」 東ジャカルタ
東ジャカルタ区チパユン郡でキリスト教会の修繕工事をめぐり、一部のイスラム強硬派団体が「教会の違法建設だ」と抗議運動を展開している。郡長は18日、修繕は許可が不要と教会側を支持する姿勢を示した。
地元メディアによると、同郡ルバン・ブアヤ町プリタ通りの西インドネシアプロテスタント教会(GPIB)プリタ教会は先月、修繕工事を開始した。教会は1981年に建設され、老朽化が目立っていたという。
同教会のローイング牧師によると、13日から教会周辺に「教会建設に反対」と書かれた横断幕が張られた。イスラム団体が抗議運動を展開し、「許可も得ずに教会を新設している」と主張。抗議行動を取ると脅かしてきたという。
地元警察や国軍は周辺警備を強化。警察署長は「以前からある教会で修繕工事も教会から報告を受け、住民の承認も得ている」としている。クリスディアント東ジャカルタ区長は「区長・町長らを交え、話し合いで解決する。(抗議は)外部者が起こしたものではないか」との見方を示した。
強硬派による教会の封鎖や襲撃は近年、各地で続発してきた。西ジャワ州ボゴール市長は2008年、強硬派を支持し、市内のヤスミン教会建設地を封鎖。問題は現在まで解決していない。
人権団体「民主主義と平和のための調査研究所(スタラ・インスティテュート)」は7月、今年上半期で国内で認知された宗教少数派に対する嫌がらせや暴力は282件で、このうち捜査対象となったのは122件と指摘。少数派の権利擁護に消極的な政府の姿勢を批判している。