洪水軽減は雨次第? ジャカルタ州が予算 人工降雨に1億6000万円
ジャカルタ特別州政府は12日、人工的に雨が降る時期や場所をずらすことで洪水被害を軽減する人工降雨に予算から180億ルピア(約1億6千万円)を割り当てる意向を明らかにした。州の治水事業に加え、降雨の軽減を図ることで、洪水発生率を少しでも引き下げようという試みだ。
ジョコウィ知事は予算額が多額だとした上で、「人工降雨は首都の降雨量軽減に有効と判断した国家災害対策庁(BNPB)の報告から実施を決めた」と話した。
知事によると、人工降雨は自らBNPBに提案。毎年降雨量が最も多い時期の、来年1〜3月中に実施するとしている。さらに州内各地に住民の避難所も設置するとした。
BNPBの広報担当者は、州の予算が十分でなければ、同庁の追加予算を割り当てる意向を表明。同州に流れ込む水の70%は、河川を通じ隣接するバンテン州や西ジャワ州から来るため、両州と連携を進めるとしている。
同州はほかに、総額5千億ルピアの予算を投じ、治水事業に取り組む。地下の地層に雨水を浸透させて排水する「浸透井戸」は11月までに州内1900カ所以上の設置を目指している。
アホック副知事は13日、人工降雨の実施に賛成した上で、「浸透井戸の効果が十分と分かれば、実施する必要はない」と発言している。
1月に発生した大洪水では首都の約3分の1が冠水。4万人以上が避難生活を強いられ、被害額は数百億円に上った。
科学技術応用評価庁(BPPT)はその直後、雲の下に雨粒の核になる食塩をまき、人口的に雨を降らせることに成功した。BNPBや空軍と協力、上空9千フィートに約5トンの食塩を散布し、本来ジャカルタに降るはずだった雨の一部をバンテン州パンデグランに降らせた。