不動産市場が減速 ルピア安、燃料高響き
米不動産コンサルタントのコリアーズは8日、ルピア安と燃料値上げの影響で、2013年の第3四半期のジャカルタ特別州内の不動産市場は前年に比べ減速傾向にあるとの調査結果を明らかにした。だがこの傾向は一時的なもので、今後は回復するとしている。
特にオフィス、集合住宅、小売、工業用物件を重点的に調査。オフィス分野では2011〜12年の新規入居面積は30万〜40万平米だったが、第2四半期から減速傾向があり、今年はこれまでで11万平米に落ち込んだ。入居面積の減少はCBD地区の賃貸料が高騰していることが原因と分析。最も高いグレードAの賃貸料はは1平米40〜50ドルの賃貸料だった。
一方で集合住宅の販売は中間層から富裕層が投資目的で購入したことで増加した。特に分譲が前年同期比3%増となる12万8353戸だった。コリアーズ・インドネシアのフェリー・サラント取締役は「ルピア安の影響で投資家が銀行に預けるよりも、住宅を購入するほうが資産を維持するのに効果的と判断したようだ」と分析した。
工業用物件では第2四半期の83・92ヘクタールから減少し、第3四半期では77・65ヘクタール販売した。2012年の第3四半期では117・37ヘクタールだった。
小売分野では09年から下落傾向が見られ、さらにモールの新規建設の凍結が影響し、下落傾向は16年まで続くとされている。
一方でフェリー取締役は、他のアジア諸国と比べ、インドネシアの不動産市場は依然として比較的安価であり、インドネシアへの投資は続くとみられると分析。現在の下落傾向については「燃料値上げ後から投資家はインドネシア市場を様子見している」と一時的な動きと判断した。