会議は踊る、ユドヨノ躍る 「最後」の晴れ舞台   栄光のボゴール宣言再び

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)議長国のインドネシアが精力的な外交を繰り広げている。退任までほぼ1年となり、国内の政局で苦戦を強いられるユドヨノ大統領は、残り数少なくなった外交の晴れ舞台で、2期10年の長期政権の成果を残そうと躍起になっている。
 ユドヨノ大統領は5日に現地入りすると翌6日、CEO(最高経営責任者)サミットで演説。国連を招いたイベントでは、国連が昨年設立した「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(SDSN)のインドネシア版創設を宣言した。その後は閣僚を引き連れメディア関係者が詰める部屋を視察。メディア用の食堂ではアニ夫人とともにサラダを食べてみせるパフォーマンスもあり、02年のジャカルタ訪問で記者団を前にドリアンを食べた小泉純一郎首相を彷彿とさせた。
 APEC関連の会合とは別に、二国間会談も頻繁に開いた。6日はメキシコ大統領と会談し航空分野などでの協力に合意。香港行政長官との会談ではジャカルタに出先機関開設を決めた。7日もAPEC首脳会談で基調講演し、日本を含む4カ国の首脳と会談した。ベトナムとは2014年〜18年の戦略的パートナーシップに調印し、ペルーとは農業協力などで合意。ロシアのプーチン大統領とも会談し、7日が誕生日のプーチン氏のために自らギターを持った「サプライズ」で、他国首脳とともに「ハッピーバースデー」を歌い上げた。夜には晩餐会で各国首脳をもてなした。
 インドネシアのAPEC議長国は、西ジャワ州のボゴール宮殿で開かれた1994年以来。クリントン米大統領、村山富一首相らが参加し、絶頂期のスハルト大統領(当時)が、開発の成果を誇る場にもなった。インドネシアが主導して先進国、途上国の経済・貿易自由化をうたったボゴール目標を含む宣言をまとめてもいる。
 ユドヨノ大統領の任期は来年10月まで。憲法で再選を禁じられており、10年にわたる政権も終わりが近づいている。(ベニー記者、吉田拓史) 

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