「キリスト教町長 異動を」 ガマワン内相、住民の反対に理解 ジャカルタ州反発、人権委は州支持
ムスリムが多数派を占める南ジャカルタ区レンテン・アグン町の住民が、キリスト教徒のスサン・ジャスミン・ズルキフリ町長(7月就任)はふさわしくないとして辞任を要求している問題で、ガマワン・ファウジ内相は26日、ジャカルタ特別州にスサン町長の異動を求めた。州政府は宗教を理由に人事を変えることはないと反発した。国家人権委員会も州政府の姿勢を支持している。
ガマワン内相は「スサン町長の任命は法律上問題ないが、適材適所という言葉がある。住民の要請に応え、非ムスリム地域への異動が最善だ」と述べた。
これに対し、ジョコウィ州知事は27日、「業績評価は町長就任6カ月後に実施する。デモが起こるたびに行う余裕はない」と説明。キリスト教徒であることを理由にしたムスリム住民からの町長解任の訴えには応じない姿勢を示した。また、首長選抜試験で好成績を得て選ばれた同町長の人事は適切と強調した。
国家人権委員会のロイハトゥル・アスウィダ委員は28日、公務員の評価は宗教などプライバシーに関してでなく、業績によるべきとの見解を示し、州政府の見解を支持した。
シャムスディン・ヌール南ジャカルタ区長も29日、「(スサン町長の)業務の質は就任当時から低下していない」と話し、ジョコウィ州知事に賛意を示している。