サミット控えマルティ外相 日系記者向けに会見 「安保協力で進展」 「EASが試金石」

 マルティ・ナタレガワ外相は八日、東アジアサミット(EAS)など来週からバリで始まる一連の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に関する記者会見を日系メディア向けに開いた。インドネシアが今年ASEAN議長国を務めていることから、外相はこれまでの十カ月を振り返り、従来は経済協力を重視していたASAENが政治・安全保障の問題も主導するようになり、地域の平和・安定の貢献という面でもASEANの国際社会の中での重要性が高まったと強調。米国とロシアが始めて正式に参加するEASが、今後の一層の協力強化へ向けた最大の試金石になるとの認識を示した。

 外相は安保面での成果として、インドネシアが停戦監視団を派遣することで合意したタイとカンボジアの国境紛争や、韓国と北朝鮮の直接対話がASEAN地域フォーラム(ARF)で実現した朝鮮半島問題などを列挙。
 新政府が改革姿勢を見せているミャンマーでは「ASEANは、より改革が進む環境作りを促進してきた」と説明。議長国外相として先月末、ミャンマーを訪れたマルティ氏は「確かに著しい発展があったと感じた」と改めて述べ、ミャンマーが二〇一四年の議長国に立候補している問題について「一部の人は時期尚早というかもしれないが、一部の人は議長国になることが改革を後押しすることになるとみるだろう」と前向きな姿勢を見せた。
 米中など地域の主要国がそろう東アジアサミットで最大の焦点になるとみられる南シナ海問題では、「八年の交渉の末、ついに行動宣言の指針で中国とASEANが合意した」と成果を強調。宣言に法的拘束力を持たせた行動規範を作るべきとの声が一部加盟国から上がっているが、マルティ外相は「指針に基づく宣言の実行に焦点を当てるべき」と述べ、規範をまとめるまでにはなお時間が掛かるとの認識を示した。
 日ASEAN関係については、東日本大震災後の四月にジャカルタで急きょ、日本への支援を協議するため開催した日ASEAN特別外相会議に言及し、「日本とASEANには長い協力の伝統があるが、特に今年は特別な年になった」と強調。
 「アジア太平洋地域の中で最も大きな新興国の一つであるインドネシアがなぜ、TPP(環太平洋連携協定)の枠組みに参加する意思を示していないのか」との質問に対しては、「われわれはASEANを中心とする枠組みにより注力している」と慎重姿勢を見せた。(関口潤、写真も、2面に関連)

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