渋滞対策であの手この手 違法駐車は「パンク」ジャカルタ州が強硬措置

 低燃費・低価格車への優遇税制「低価格グリーン・カー(LCGC)プログラム」の導入で自動車販売がさらに増加し、交通渋滞の一層の悪化が懸念されるジャカルタ特別州で、州政府がさまざまな対策を打ち出している。州運輸局は違法駐車にタイヤの空気を抜いてパンクさせるという強硬措置に乗り出した。
 アホック副知事は24日、「州内で低価格車の利用者急増を見込み、交通違反者を厳しく処分する必要がある」と発言。州は市民の車の購入を制限する権利を持たないとした上で、交通規制の強化で渋滞に対処する方針を強調した。
 州運輸局は先週から、西ジャカルタ・ロキシや中央ジャカルタ・ガンビルなど各地で、違法駐車のオートバイや自動車のタイヤのバルブを没収する措置に着手した。これまでにオートバイを中心に、州内で千台を超える二輪・四輪車が対象となった。
 ウダール・プリストノ同運輸局長は23日、「タイヤから空気を抜く以外にも、交通整備に理解を求めるステッカーを違法駐車車両に張り付けるなど、複数の対策を考案中だ」と話した。
 同様に交通渋滞の問題を抱える西ジャワ州バンドン市でも、同様の措置が導入される予定。リッキー・グスティアディ運輸局長は市民への周知後、来週から違法駐車車両のタイヤから空気を抜く措置を始めるとしている。
 アホック副知事はまた、車庫を持たずに公道に駐車している自動車保有者の取り締まりを厳格化する方針も示した。

■ERP、来年導入も
 電子式道路課金システム(ERP)については、来年初めにも導入したいとの考えを示した。
 副知事は同日、ERP計画への投資候補として、国営のマンディリ銀行、バンク・ラクヤット・インドネシア(BRI)の幹部と会談。民間が進めた方が早く実現できるとして、システムの構築を民間企業に委託する意向を示した。
 対象区間にスディルマン、タムリンのほか、ラスナ・サイド、カサブランカの各通りが挙がっている。アホック副知事は、ERPを導入した場合、ナンバープレートを奇数と偶数に分け通行を制限する渋滞緩和策を導入しない可能性が高いと明らかにした。
 一方、大蔵省のマルワント・ハルヨウィルヨト地方財政均衡総局長は、ERPの導入には、条例の制定や運輸省の承認などが必要になると指摘した。
 LCGCプログラムで自動車販売が増加し、渋滞が悪化するとして、ジョコウィ知事が政府に抗議の書簡を送付。ブディオノ副大統領は、渋滞対策も並行して進めるとして、ERPの早期導入を明言していた。

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