古マタラム王国の遺物4点盗まれる 国立博物館

 中央ジャカルタの国立博物館は12日、館内の展示品4点が盗まれたと発表した。8〜10世紀にジャワで栄えたヒンドゥー教の古代マタラム王国の遺物で、ガラス製のショーケースに保管されていた。監視カメラが故障中で夜間には警備員もいないなど、博物館側のずさんな管理体制が明らかになった。
 国立博物館のインタン・マルディアナ館長によると、盗難が発覚したのは12日朝。出勤した係員が発見した。2007年に開館した国立博物館の新館2階に展示されていた竜や三日月、シヴァとヴィシュヌの合体神のハリハラをかたどった金の板、金のお椀が盗まれた。遺物は東ジャワ州モジョクルトで発見されたもので、水や火、空気、大地を表しているという。展示物は全て同じガラス製のショーケースに保管されていた。

■ずさんな管理体制
 博物館は先月、7人だった警備体制を15人に増員していたが、午前8時半〜午後4時の開館時間以外には警備員を配置していなかったという。館内には監視カメラが設置されているが、警察の捜査で盗難があった部屋のカメラは昨年11月から機能していなかったことが分かった。職員はカメラの故障を管理責任者に報告していたが、放置されていた。
 中央ジャカルタ・ガンビル警察によると、展示室のドアをこじ開けた形跡はなかったことなどから、内部の事情に詳しい犯人がいるとみて警備員などから事情を聴いている。
 国立博物館ではこれまでに数回盗難に遭っており、1995年に盗まれた展示品の行方もまだわかっていない。

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