「スハルト通り」で波紋 モナス外周道路の改名計画 スカルノ、ハッタ、アリ・サディキンも
中央ジャカルタの独立記念塔(モナス)の四つの外周道路の一つをスハルト元大統領にちなんで改名する計画が波紋を呼んでいる。ジョコウィ・ジャカルタ特別州知事はスハルト元大統領の功績には賛否両論があるとして消極的な姿勢を見せている。
同計画を提案したのは、ジムリー・アシディキ前憲法裁長官などが結成した「第17委員会」。改名は、国家英雄への敬意と愛国心を高めることが狙いだとしている。モナス南側のムルデカ・スラタン通りをスカルノ初代大統領に、北側のムルデカ・ウタラ通りをモハマド・ハッタ初代副大統領に、東側のムルデカ・ティムール通りをアリ・サディキン元ジャカルタ特別州知事に、西側をスハルト元大統領の名前に改名するよう求めている。
第17委員会は30日、国民協議会(MPR)議長室で、シダルト・ダヌスブロト議長やジョコウィ知事、歴史家などと改名について話し合った。
ジョコウィ知事は30日、「同4道路の改名には賛成するが、サディキン氏とスハルト氏の評価は分かれるので、スカルノ、ハッタ両氏の名前をまず採用する」と発言。第17委員会の提案を大統領に書面で伝え、11月10日に正式にムルデカ・ウタラ通りをブン・カルノ(カルノ兄さん=スカルノ元大統領の愛称)通りに、ムルデカ・スラタン通りをブン・ハッタ通りに改名するとの意向を示している。
改名には、マルズキ・アリー国会議長やゴルカル党のプリヨ・ブディ・サントソ国会副議長などが賛成。一方、スハルト政権期の人権侵害解決を訴える人権団体コントラスや福祉正義党(PKS)のユディ・ウィディアナ・アディア議員などが反対している。