漁港をより身近に マングローブを植樹 JJS小学部5年生
ジャカルタ日本人学校(JJS)の5年生137人は28日、北ジャカルタ・ムアラ・バルのジャカルタ漁港を見学し、港内海水浄化システムの敷地にマングローブの苗木を植えた。昨年まで4年生が対象だったが、今年から5年生となったため、2回目となる子どもから「久しぶりに来たなぁ」との声が上がった。
ジャカルタ漁港は日本のODA(政府開発援助)案件として1984年に完成。コンサルタントとして70年代後半のプロジェクト開始時から30年以上関わり、一線を退いてからも、ジャカルタと日本を行き来しながら漁港の面倒を見続ける折下定夫さんが子どもたちを案内した。
子どもたちはクラスごとに氷工場や港を見学、高さ35メートルの灯台に上った。「ランプがついている船は何の船ですか」「海賊はいるんですか」。灯台の上で目を輝かせながら、折下さんを質問責め。地上にいる仲間に手を振っている生徒もいた。
10年前にJJSの見学受け入れを開始。今年初めて、マングローブの植樹を実施することになった。「マングローブを植えることで、子どもたちが再び港に来てくれる。そんなきっかけになってほしい」と折下さんは話す。
植樹の前に、子どもたちはマングローブの木の下で昼食をとった。「葉っぱの裏をなめてごらん」と折下さんが呼びかけると生徒たちは葉をもぎ取って恐る恐る舌をつける。「マングローブの葉っぱってしょっぱいんだね」。仁平拓馬君の言葉に「葉っぱも人間と同じで汗をかくんだよ」と折下さんは言葉をかけた。紺谷大河君は「持ち帰って顕微鏡で調べてみよう」と興味津々だった。
子どもたちは7月上旬から、今回の植樹のために授業の一環で種から苗木になるまでマングローブを育ててきた。夏休みには発芽したマングローブを家に持ち帰った。中には枯れてしまったのもあったという。
この日は育ててきた苗木を植樹する日。子どもたちが等間隔で広がり、水浸しになりながら、海水の中に一つ一つ慎重に苗木を植えていく。神谷健太郎君は「植えるのが少し難しかったけど、楽しかった」と話した。(山本康行、写真も)