広まれ「MOTTAINAI」 省エネ啓発ビデオを公開
「MOTTAINAI(もったいない)」をキーワードとする省エネ啓発ビデオが完成し21日、エネルギー業界関係者らの集まる会議でお披露目された。経済産業省から国際協力機構(JICA)を通じてエネルギー鉱物資源省に派遣されている矢野友三郎政策アドバイザーが音頭をとり、JICAとエネ鉱省が共同制作。地元高校生や人気歌手も登場し、省エネを呼び掛ける。近く、動画投稿サイトのユーチューブで配信。ネット利用者が多いインドネシアで「もったいない文化」の広がりを期待している。
約10分のビデオでは実写やアニメを使い、冷房の温度調節や、スイッチをこまめに切ることなど、心掛け次第で誰もが簡単に実践できる節電方法を紹介する。国民的歌手のアグネス・モニカさんや庶民派として人気の高いジョコウィ・ジャカルタ特別州知事が「省エネが大切です」と語り掛けた後、矢野さんの省エネセミナーをきっかけに結成された私立国際イスラム高校の「MOTTAINAIクラブ」メンバーが歌と踊りで締めくくる。
矢野さんは、インドネシアではインターネットが普及し、交流サイト利用者も多いことに着目。著名人が登場すれば普及が加速すると、アグネスさんや知事を口説き落とした。矢野さんは「エネルギーが豊富なインドネシアでは、省エネの意識が依然として乏しいが、省エネは効率化につながる『お金をかけない投資』だ。2億4千万人が少しずつ心掛ければ大きな効果を生む」と期待する。
MOTTAINAIクラブのリーダーのラティファ・ユスフさん(16)は「最初『もったいない』という言葉を聞いたときは、なんだそれはという感じだったが、(矢野さんが紹介した)MOTTAINAIダンスなどを見て理解できた。ビデオを通じ、運動が全国に広がればうれしい」と話している。
今後、市内の高校でビデオを収めたCDを配布する。日本の省エネルギーセンターやJICAのホームページでの紹介も予定している。(和歌山大学3回生・高越咲希=インターン)