代理人向けに研修施設 中間層の取り込み図る シナールマスMSIG生命
生保業界第2位の三井住友海上火災保険と地場系大手財閥のシナールマスグループの合弁会社「シナールマスMSIG生命」は20日、西ジャカルタのショッピングモール「ロクシー・スクエア」内に設置した販売代理人向けの研修施設「スマイル・アカデミー」の開所式を開いた。
同社の売上は銀行での窓口販売が5割以上を占め、保険加入者のほとんどが富裕層。インドネシアの保険浸透率は日本の約8%に比べ約1%と低く、中間層の割合は少ないのが現状だ。しかし、今後は経済成長を背景に2020年までに1億4千万人に達すると予測される中間層の需要で、大幅に伸びるとみられる。
しかし、拡大する中間層に販売代理人数が追い付いておらず販路増強には代理人の育成が急務となっているため、同社は現在の1万人から、年内に約1万7千人まで引き上げる方針。
同センターは、東ジャワ州スラバヤ、南スラウェシ州マカッサルに続いて国内3カ所目。施設にはインドネシア生命保険協会(AAJI)による生命保険募集人の資格試験を受験でき、保険設計書や申し込み書類のシステム作成を学べるパソコン室、保険商品や販売知識を学べる講義室などを設置。初心者でも代理人資格を取得できる体制を整える。
さらに、代理人を育成する約50人のスタッフが常駐し、代理人資格取得後も相談にのり、顧客との接客方法といった実践的なトレーニングも実施するなど全面的に支援する。
今年7月に就任したジョンソン・チャイ社長は「拡大する中間層の需要を取り込むには販売代理人の育成が不可欠。単なる育成ではなく、顧客の要望を実現し満足してもらえるサービスを提供できるような人材を育てたい」と意気込んだ。
同社の1〜6月期の保険料収入は5兆ルピアで、保険会社の安定性を示す同社のリスク・ベースト・キャピタル(RBC)は6月時点で935%だった。(小塩航大、写真も)