警察官2人射殺される オートバイ奪い犯人逃走 南タンゲラン

 バンテン州南タンゲラン市ポンドック・アレンの路上で16日午後9時半ごろ、オートバイで出勤途中の警察官が後ろから来た2人組の男に拳銃で撃たれ、死亡した。パトロール中の警察官4人が男らを止めようとしたが、1人が射殺された。男らは警察官との銃撃を振り切り、別のオートバイを奪って走り去った。
 地元メディアによると、警察官は勤務先のポンドック・アレン警察署に向かっていたところを、後ろから近づいた男らに撃たれた。銃撃を目撃した警察官4人が運転していた車を男らのオートバイにぶつけて転倒させようとした。だが、ハンドル操作を誤り、車は路肩に横転した。
 車を運転していた警察官はドアから出たばかりのところを、オートバイから降りてきた男に撃たれた。ほかの3人は車から這い出た後、男らに発砲した。約15分間撃ち合いになったが、男らは近くにいた警備員の男性からオートバイを奪って逃げた。
 撃たれた警察官2人はその場で死亡が確認された。17日夕までに発砲現場で拳銃用の銃弾2発が見つかった。司法解剖の結果、死亡した2人の警察官はいずれも2〜3メートルの至近距離で後頭部を撃たれたとみられる。
 警視庁などによると、オートバイに乗っているところを撃たれた警察官は午後10時から、翌日の独立記念日に合わせた巡回に当たる予定だった。銃撃があったのは同警察署から100メートルの場所だった。

警察官銃撃が相次ぐ 不安の声「過激派の犯行か」
 独立記念日を翌日に控えた夜、静かな街に銃声が響き渡った。16日、南タンゲラン市で警察官2人を射殺した犯人は逃走、同市と隣り合う西ジャカルタでは武装警察官が急きょ配備され、オートバイ運転手を検問した。
 南タンゲラン市内で3週間に計4人の警察官が射殺された。市民の間では不安が広がっている。飲食店勤務のダイム・アルヤネガラさん(25)は「(中部スラウェシ州ポソ県の)イスラム過激派と警察の戦いがジャカルタにも来たのか」と顔をこわばらす。
 背後からオートバイで近づき、後頭部を狙う。製造途中に発火したり、爆発しなかったりする爆弾と違い、銃撃はコストがかからず、確実に相手を殺害できる。武装警察官との交戦も辞さず、銃器の扱いに長けた人物の犯行とみられ、イスラム過激派の犯行との疑いが強まっている。
 日刊紙ジャワ・ポス電子版が18日、国家テロ対策委員の話として伝えたところによると、2009年〜12年にかけ、南タンゲラン市内で対テロ特殊部隊が射殺した過激派の仲間が警察に報復しているとの見方が出ている。
­­­ ロニー・フランキー・ソンピ国家警察報道局長はじゃかるた新聞の取材に対し、「警察官を殺害し、地域社会に不安をつくろうとする集団がいる」と指摘。「テロ行為を未然に防ぐため、政府機関、国軍、市民の協力が必要」と話した。(上松亮介)

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