【火焔樹】兄弟間の助け合い

 スマトラ島の中西部にあるパダンで、夫の甥(おい)の結婚式が行われた。今は故人となった義理の母は一人っ子だったので、子だくさんがいいと5人の息子と5人の娘を産んだ。男女1人ずつ亡くなり、今はジャカルタに女3人男1人、パダンに男3人女1人が住んでいる。それが今回全員集まることになったのだ。
 仕事の都合で最後に着いた私たちを、8番目の妹の夫が迎えに来てくれた。その後、4番目の弟とその妻がドリアンのアイスと、同じスマトラ島にあるパレンバンの特産ペンペを食べに連れて行ってくれた。パダンの町をあちこち車で回り、彼らと彼らの母親の家に寄り、海辺へも行った。夜には、日本のカレーのようなたれがかかっている牛肉の串焼きサテ・パダンを食べに連れて行ってくれた。
 翌日、朝食は5番目と8番目の妹が用意した。その後、6番目の妹が働いている銀行の車で、美しい刺繍や織物で有名なブキティンギへ3時間半ほどかけて行った。近代的なモールではなく、値段交渉で品物を購入する伝統的な市場だ。2番目の妹が交渉した値段で皆がそれぞれ何枚かをゲット。割安だし、お土産のためもあってかなりの量を買った。夫はこの間、7番目の弟とパダンの町を歩いた。
 3日目の朝、式の前に、皆で経営している会社の話が話題に上った。この時、多くを話すのは6番目の妹。その後、披露宴のために用意したおそろいの服を着て式に出席。兄弟8人が夫婦同伴で写真撮影した。
 たくさんの兄弟が、それぞれ違う場面で助け合う、大家族の楽しさを味わった旅であった。ジャカルタに帰った後も、2番目の妹がゼンマイを料理してみんなに分けてくれた。義理の母があれほど望んだ子だくさんは、それぞれ違う方法で助け合っている。(ゲストハウス経営・平井邦子)

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