ごみ投棄、厳重監視へ 陸軍兵士配備、罰則強化 ジャカルタ州政府

 西ジャワ州ボゴールを水源にジャカルタを蛇行するチリウン川でごみの不法投棄が深刻化している。ジャカルタ特別州のジョコウィ知事は15日、国軍と連携し、流域警備を強化、投棄した住民に罰則を科す方針を明らかにした。今年1月、チリウン川の氾濫などで首都目抜き通りをはじめとする広域で大洪水が発生。州は乾期中にごみを撤去するとともに啓発活動を展開し、住民の意識向上に努める。
 ジョコウィ知事は15日、ムルドコ陸軍参謀長とチリウン川を視察。チリウン川へのごみ不法投棄を監視するチームを編成し、投棄者を見つけた場合、その場で摘発するとの方針を明らかにした。
 陸軍兵士約千人がチリウン川の清掃に当たり、回収されたトラック100台分のごみは、西ジャワ州ブカシのバンタルグバンごみ最終処理場に運搬された。
 今年1月には断続的に降り続いた大雨の影響でチリウン川が氾濫。州の3分の1が冠水し、4万5千人が避難するなど都市機能がまひした。州は首都圏を流れる13の河川・運河の改修工事に着手し、14年には防波堤を建設する計画を発表した。
 しかし、市民が排水溝や水路、河川などにごみを投棄し、州内の排水システムが本来の機能の50〜70%しか機能していないとの試算もある。
 ジョコウィ知事は「まずは周辺住民への啓発活動で河川にごみを捨てないとの意識を高める」と説明。ごみの適切な処理方法や環境への影響などについて周知するという。
 さらに陸軍兵士を監視員として配置し、段階的に監視地域を拡大していく。不法投棄を禁じる条例の違反者には身柄拘束や50万〜500万ルピアの罰金など、罰則を科す。
 州内では1日約6500トンのごみが発生し、年々増加している。インドネシア衛生研究所によると、州のごみ処理費用は毎年6500億ルピアに上り、財政を圧迫している。

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